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Colorfulカラフル
空に恋して4
※原作と似通ってるシーンを入れてますが、会話等は管理人の創作になっています。




しばらくは赤司っちの言葉がぐるぐる回っていた俺だが、部活にモデルの仕事…あと一応勉強もあるし一ヶ月もすれば頭の隅にいってしまっていた。


その話をして季節が次に変わる頃、青峰っちのプレーが一段とキレを増した。いや……才能が劇的に開花したというのが正しいのだろうか。

俺は憧れの彼の凄さが増して、嬉しくも思い、またチームメイトとして頼もしく感じていた。ある帰り道、緑間っちと歩いていた際も、


「青峰っち、あんなにプレーが決まるときっとバスケが楽しくて仕方ないっすよね!!」

「…果してそうか?」

「えっ?だってあんなに連続でゴール決めてるんすよ。楽しくないわけないじゃないっすか?」

「…寧ろ、あれほどになると楽しいという感覚ではないと思うがな」

「…緑間っち…?」


その後、彼は何も言わず、俺も黙って家路についた。
(何だろう?なんで心がこんなにざわつくんだろう…)
俺はまだ何も知らずにいた。



それから数日後、青峰っちが部活をサボった。最初は体調不良かと思ったが、そうではなかった。
「青峰っち、何があったんすかね?赤司っちが怖くないんっすかね〜黒子っち!」

「…そうですね」

「どうしたっすか?」
(何だろ、様子がおかしい?)
「いえ、何でもありません。黄瀬くん」


黒子っちは平気そうにしていたけど、その表情は少し暗かった。

次の日、青峰っちは部活には出てきたけど、練習の途中で帰ってしまった。
俺が声をかけても、彼は機嫌が良くなく「うるせぇ、黄瀬」の一言だけだった。
さらにおかしかったのが、黒子っちとまったく会話をしていなかった。

お互いバスケの相性が良く、黒子っちのパスを青峰っちが1番受けていた。正直、嫉妬するぐらい二人は仲が良かったのに………。

そして、段々と青峰っちは部活に来る回数がまちまちになっていた。桃っちが何とか、連れてくるといった事が度々あり。参加しても途中で帰る、もしくは練習をしない。

そんないい加減な、態度なのに赤司っちは何も言わなかった。俺が、不満をもらしたら緑間っちが「赤司には赤司の考え方があるのだよ。それに試合には勝っている」と言われ、何も言えなかった。



そして、黒子っちと青峰っちは、会話をしなくなった。



俺は二人の仲がどうしたのか、気になって仕方なかった。等々、部活の帰り道。俺は黒子っちを誘い、マジバに寄った。


「はい、黒子っち。バニラシェイク、今日は俺の奢りっす」

「ありがとうございます…黄瀬くん」


大好きなシェイクを口にしても、黒子っちの顔は晴れなかった。俺は黒子っちのあいむかいに腰掛け、自分用に頼んだアイスティーをテーブルに置いた。


「…黄瀬くん、あの話って何ですか?」
「…えっと……」


(いざってなると、なんか緊張する……;;;)


「…えっとね。黒子っち。最近、青峰っちとどうしたんっすか?」


黒子っちが答えてくれないと思っていたけど、俺はあえて直球で言ってみた。回りくどい言い方は止めた方が良いなと思ったから…。
バニラシェイクを飲む、黒子っちの手が止まる。


「言いたくありません。黄瀬くんには関係ない事です」

「…っ!!」
(やっぱり予想通りとはいえ、キツイっすね…)


「俺、心配なんすよ。二人とも全然喋らなくなったし、青峰っちは練習に出てこないし…黒子っちの辛そうな顔、見たくないんすよっ!!」


「…黄瀬くん…何でそんな必死なんですか?僕の事なんてただのチームメイトじゃないですか、放っておいて下さい」

「俺にとって黒子っちはただのチームメイトじゃないっす!!」

思わず、声が大きくなってしまう。だが、夕方の混雑時に紛れて注目する様な人間はいなかった様だ。黒子っちは少しだけ、驚いた様子で、


「声が大きいです。黄瀬くん」
「……………何で、一人で抱えこもうとするんすか?俺、黒子っちにはいつも笑っていてもらいたいっす…」


「…今日の黄瀬くん何か変です。もう話したくありません。帰ります」

「待ってっ!!」

立とうとする黒子っちの右腕を、慌てて掴む。

「痛いです。離して下さい」

「…嫌っす。悪いけど俺も引き下がれないっす。俺、黒子っちの事が好きです」

「えっ?」


水色のすんだ瞳が俺を見て驚いていた。俺は黒子っちの瞳に自分だけが写っていて、不謹慎にも嬉しく思ってしまった。
俺の真剣な想いが伝わる様に、俺は黒子っちから目を逸らさなかった。
お互い数秒ほど、無言で先に口を開いたのは黒子っちだった。

「……チームメイトとして…?」

「じゃないっす!!気持ち悪いかも知れないけど、恋愛感情だから」

「………とりあえず、手離してくれませんか?本当に痛いです」

「…あっ、ごめん…離したら逃げないっすか?」


どうやら無意識に力が篭ってしまったらしい。黒子っちは席にまた座り直してくれ、俺は漸く右腕を解放した。


「…………いつからなんですか?その…」

黒子っちは俯いたまま、小さな声で俺に尋ねてきた。
改めて、そんな事を聞かれるとは思わず、一気に顔が熱くなっていくのが分かった。今更だけど、やっぱ恥ずかしいっす!!


「うっ……黒子っちが教育係じゃなくなったあたりから」

「っそんな前からですか!?……そうですか…」


「ってか、気持ち悪くないんすか?告白した俺が言うのも何だけど」


「正直、驚きの方が先で、今の所そういうの無いみたいです」

嫌悪感抱かれてないだけ、及第点な結果だ。

「……そうすっか…」
「……………」
「……………」
(沈黙キツイっす…)

予想してたけどやはり、キツイもんはキツイ…。

「黄瀬くん」
「…っはいっす!!」
「あの、もう一回聞きます。冗談じゃあないんですね」

「いくら俺でも、そんな冗談言わないっす。黒子っちがちゃんと考えてくれた、答えが俺は聞きたいっす」

「黄瀬くんノリが軽いので…すみません。分かりました。少し時間下さい、ちゃんと考えるので」

こんなちゃんとした返事が返ってくるとは思わなかった。


「ありがとう、黒子っち」


「ここはお礼を言うべきではないですよ。黄瀬くん、そしてこれとは別ですが、青峰くんとの事は……僕はもう彼の"影"にはなれないんです。それだけです」


初めて見た、苦しそうな黒子っちの表情だった。


「黒子っち…それって……」
「失礼します。それでは」


今度は黒子っちの手を、掴む事は出来なかった。





もやんとした所で、続きます。告白シーンとか、恥ずかしいですね!書いてる身としては、隠れてたいです。このままシリアスになってくれれば良いなーと思ってます。ではまたー!

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あきゅろす。
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