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これが恋だと笑ってください。


★来神時代。
ペテン師が、人形に惚れるまで。





快晴が雲を消し去り、空が太陽が屋上へと降り注ぐ。暑くてたまらないのに、小さな影に二人で寄り添って入ってることがバカらしくて笑えた。
暑くて思考も溶けそうで今なら何をしても暑さのせいだと笑える気がした。

「シズちゃん、暑いー」
「うっせ」

さっきからこんな会話しかして無いけど、これでも俺たちは喧嘩…殺し合いにまで発展はしなかった。動きたくないのはお互いさまらしい。
日陰でもコンクリから上がる蜃気楼が暑さを物語る。これは真夏だよ、もう。
まだ梅雨にも入っていない六月だと言うのに。まあ、入梅したら別に意味で苛々するのだけれどね。

「あ、そういえば次体育じゃない?」
「サボる」
「同じく」

こんな炎天下にグラウンドなんか出たら、干からびちゃうよ。少なくとも俺は。
シズちゃんは似合いそうだよね、なんか風の子っぽいじゃん。あ、裏をついて引き篭もりとか?…なに、かな。

「シズちゃん、体育の成績なんだっけ」
「5」
「…あれ、授業でたことある?」
「喧嘩売ってんのか手前」

いやいや、運動は出来そうに見えるけどさ、5なの?マジで?

「手前より授業には出てる」
「うっそ、俺そんなにサボってるかな?やばいな、単位足りるかな」

高校は計算しておかないとすぐに足りなくなるから。課題出してもぎりぎりだしね。
テストはそれで補えるからまだいいんだけど、さすがに授業日数は誤魔化せない。

「ねえ、シズちゃん」

もう授業のこととか、どうでもいいや。
これは、もう熱でやられた俺の奇行だと思えばいい。それが無難だ。

「なんだよ、」

夏の暑さって怖いよね、人間を簡単に狂わせることが出来るのだから。
そんなこと思いながら、シズちゃんの胡坐を書いていた愛の飢えに跨る。
起用に片眉を寄せたシズちゃんに微笑んでゆっくりと顔を近づけた。
触れ合う熱は、暑さか、温度か。

(ああ、ドロドロに溶けて交わりあいたい)


100608
ストックばかりが溜まり上げてない作品ばかり。
そしてこれは暑さのせいの産物。




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