好き=君へのアンチ行為。
★会話文で作ってたので文章が支離滅裂。
後半から微妙な裏。来神時代。
「なあ、」
「なにさ」
「手前、今日屋上に誰か連れてきたろ」
シズちゃんがタバコをふかしながらそう尋ねてきた。
俺は内心どきりとして無表情を装う。
「なんで」
「新羅が言ってた」
「(新羅コロス)知らないよ」
「ふーん」
「ああ、そういえば幽くんまた映画の主役をとったね」
話を逸らそう。
この話題アウトだから。
「ああ」
「兄貴としては鼻が高い?」
「幽の努力だろ」
「まあね、でも凄いよね」
「まあ」
幽くんのこととなると、ブラコンなシズちゃんは笑う。
いやまあほんとにすごいけどね。
「あ、そういえばシズちゃん今日暇なの?」
「一応」
一応って……、いやまあまだわかんないけどさ。
シズちゃんの言語、たまにわかんないよ。
「じゃあこれあげるよ」
「なんだこれ」
「ラーメン屋の半額券。シズちゃん好きでしょ?」
「いいのか」
「いいよ」
何故か信者から貰った半額券。
俺はラーメンがはそんなに好きじゃない。だから好きな奴にあげた方が有効利用というものだ。
「お前は今日暇なのか」
「まあ、今日は」
「じゃあ行くぞ」
「え?彼女といきなよ」
「は?」
「え?」
そのためにあげたんだから、と言えばほうけた顔をされた。
あ、女の子ってラーメン屋とか行かないっけ。
今時の子って難しいよね。
でもなんでそんな顔するかはわからないな。
「誰だよ、彼女とか」
「え?だって告白されたんでしょ?」
「は?」
「え?」
「つーか、何で告白されたって知ってんだよ」
あれ、このネタまだ広まってない?
「え、だって手紙貰ったって」
「……誰に聞いた」
「新羅」
「(新羅コロス)んなわけねえよ」
「えー…いや、告白の返事どうしたのさ、まさか好みじゃないから断ったとか?」
じゃなきゃ、今時の高校生が告白を断る訳がない。
青春感じたいじゃん?
「はあ?」
「だって、確か可愛い子だったでしょ?三組のマドンナとか」
「知らん」
「ええ、勿体無い」
「俺好きな奴居るから」
え。初耳なんだけど。
居たの?シズちゃんが好きになる人。
「なんだよ」
「いや、」
「…俺にだって居るっつの」
「いや、まあ、そうだよねえ」
「……お前も知ってるぞ」
「え、」
尚更待って。誰それ、すごく気になるじゃん。
「告白は断った、俺には勿体無いからな」
「ああ、そう…」
「お、チャイム鳴るな。教室行くぞ、臨也」
「…サボる」
「は?」
「次古典でしょ、どうせ寝るし行かない」
「…じゃあ、行くから」
「ん」
(言って欲しく無い、なあ。なんて)
(馬鹿みたい、そりゃシズちゃんだって男、だからね)
(…帰ろうかな、何か会いたくない、かも)
シズちゃんが視界から消えて、しばらくぼんやりしていた。
そうか、居たのか。
気づかなかったなあ、一番側に居たのに。
腕を交差させて泣きそうになるのを堪えた。
「臨也」
「……!」
どのくらい経ったのか、いつの間にかシズちゃんが帰ってきた。
あれ、まだ授業中でしょ?
携帯を見てみればそんなに時間が経ってないことに気付いた。
「手前、」
「何時来たのさ」
「さっき」
「(気付かなかった…)」
やばいな、そこまで気が抜けてたのか。
これがシズちゃんじゃなかったら危なかったね。
「ほら、早く立てよ」
「なんで」
「ラーメン屋行くんだよ」
「今から?」
「おう」
普通に返すシズちゃんに呆れた。
いきなりだね、ほんと。
「なんで…」
「腹減ったから」
「さっきお昼食べたじゃない」
「いいから、」
「(強引なのは変わらない、よねえ)」
(いったい誰が好きなの)
ああ、やばい。
気になって仕方ない。
俺の興味がそちらにばかり傾く。
「シズちゃん」
「んだよ」
「好きな子、だれ」
「…いきなりどうした」
「いいから」
シズちゃんは多分答えてくれる。
そんな期待をしながら、俺は続けた。
「俺が知ってる子って言ったよね」
「…まあ、」
「女の子ではそんなに居ないんだけどな、信者の子たち抜かしても」
「…まあ、女じゃねえしな」
「、は」
(まさか、男?)
予想外の台詞に俺は胸が痛んだ。
「シズちゃん、男とか興味無いって言ってなかったっけ」
「ねえよ」
「…」
「だけど、あいつは特別」
(痛い。)
(軋む様に心が泣いた。)
多分そこからは、無意識だ。
身体が勝手に動いた、と言ってもいい。
「…だれ」
「だから、」
「聞いてるのは、おれだよ」
「っ!」
「ねえ」
シズちゃんの腕を掴んで自分の方に引き寄せる。
バランスを崩したシズちゃんは、俺が引いたコンクリへと倒れる。
その上に跨がるように俺は乗った。
驚いているシズちゃんににっこりと笑う。
「質問に答えてよ」
「…そんなに気になるのか?」
「まあ、気になるねえ。シズちゃんが美人の告白を断ってまで好きな子」
「……」
「ねえ」
俺がいつになく真剣に問い質すと、観念したのか溜め息をつかれた。
仕方ない、みたいな感じで俺から顔を逸らして言いはじめる。
「ソイツは、プライド高くて見た目と中身の差が凄い奴で」
「………」
「俺を怖がらない、奴」
「………」
(ソレ結構居るんだけど)
最近君優しくなったって、言われてるの知ってる?
そのせいか、怒るけど暴力を使わなくなったよね。
「俺が、俺で居るために必要だ、な」
「……そう」
(聞かなきゃよかったな)
(苦しい)
ああ、そんなに優しい顔しないで。
俺だけに見せてよ。なんて救いようがない。
「…黒髪で、綺麗め」
(帝人くん?…いい子だもんね)
「ふうん」
「んで、」
(もう言わないで)
「俺の好きな、赤い眼」
もういい、と叫びたくなる前に、気付いた。
いま、なんて。
「…………は、?」
(待って、今、何て言った…?)
「俺のすきなのは、手前だよ、折原臨也」
「は、」
堪えていた涙が落ちた。嗚呼やばい、嬉しすぎる。どうしたら、なんて。
「最近、お前のこと殴ったか?」
首を横に振る。だって、そうだよ、怒っても殴られたことなんて…。
気付かなかった。意識していなかった。
こんなにも、
「なあ、」
「なに」
「もう下りてくんね?」
「…?」
「手前、この体制で気付かねえ訳ねえよな?」
そう言われて、ハッとした。
そういえば押し倒したような体制のままだった。
羞恥で顔が赤くなるのが分かる。勢いとは言え、こんな…!
「なあ、俺さ今だから言うけどよ、お前に欲情してるから、そこんとこよろしく」
もう駄目だ。
心が保たない。
好き。好きだよ、シズちゃん。
「馬鹿」
「あ?」
「馬鹿じゃない、の。俺なんかに、俺、に、」
嗚呼、もうどうにかなってしまいそう。
こんなに好きだと自覚するのは、君だけだ。人を愛するのさえ、こんなにはならなかったのに。
心が壊れそうなほどに、気持ちが溢れるなんて。
(乙女、かっての)
むくり、と上半身を起き上がらせたシズちゃんの手が俯いていた顔に伸びる。
「顔上げろ」
「…や」
「何で」
「……はず、」
絶対真っ赤だ。熱い。どうしようもない熱があった。
「…お前可愛いよな」
「………意味わからないよ」
「な、」
「なに」
「マジでムラムラっすから、下りろよ」
もう駄目だ。ごめん、ほんと大好き。
「シズちゃん、ごめん」
「…何、」
歯がぶつかりそうな勢いでキスをした。それはもう勢いよく。
ぶつからなかったのがキセキなくらい。
開いていた咥内へと紛れ込ませた舌をすぐさま絡めてくる。
熱い。もう、このまま溶けてしまっても構わない。
「あ、」
ひやり、とした感触に声を洩らせば笑うシズちゃん。くそ、ムカつく。
シャツの中に手が入り込む、嗚呼、シズちゃんが触ってる。どうしよう。
「細…」
「シズちゃんに言われたくない、よ」
「お前よりは筋肉ある」
人が気にしてることを…、いや俺だって筋トレすれば筋肉ぐらいはつく、はず。
「ちょ、此れやだ…!」
「我慢しろ」
酷い。
俺が押し倒した格好からシズちゃんが舌に下がったと思えば捲れていた腹部をベロリと舐める。
「ひ、」
そのままガチャガチャとバックルを外され、ベルトが抜ける。
膝と腕を付いて四つん這いのような格好で耐えるには辛い、と言うかキツイ。
「……!!!」
不意に、外気に晒されたような開放感に眼を見開く。
シズちゃんが。
「ちょ、シズちゃ、」
「うっせ」
舐めた、今絶対舐めた。
やば、い。膝が笑ってる。保てない…。
「体勢変えてほしいか?」
見透かしたような言い方にカチンときたけど、そんなこと言ってられない。
このままの結果が見えるからソレのが嫌。つか恥ずかしい。
「か、えて」
「ん」
肩を下から伸びてきた手に掴まれて少し身体が浮く。…力持ちー。勿論嫌味。
対面するような体勢にされて押し倒された。背中が地面に着くと少し安心する。
「あんま声出すなよ、授業中だからな」
ニヤニヤしながら真面目なこと言うな、このムッツリめ。
涙が少し浮かぶ眼で睨みつけると笑われた。くそ、かっこいいよほんと。
「あ。ま、いいか」
何かを言ってたけど、俺は聞き返そうとして不意打ちをされた。
「…!!」
「おー、偉い偉い」
いきなり、口に含みやがった…!
嫌だほんとシズちゃんってばエロい!
自身を舌で愛撫されると体が震える。あ、やばい。
言いたくないけど、気持ちいい、って。
縋るものが欲しくてシズちゃんの髪に指先を絡める。軋んだ金髪が何故か心地よかった。
我慢出来ずに吐精してしまったけれど、何故か腹立たしいのはシズちゃんが上手いってこと。
あと、飲むのやめて恥ずかしいから!悶死しちゃうよほんと。
肩で息をしているとシズちゃんが口端の液体を舐め取っていた。やば、エロい。
「しん、じらんな…」
「濃いな、抜いてなかったんか」
「…」
うわ、凄いムカつく!
ちくしょう、次は俺がシズちゃんを襲ってやる!
そう俺は誓った。
終わり
無駄に長い。
そしてすみませんでした。笑
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