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愛とは時に愛しくて堪らない、なんてね。

★ちょっと崩壊中。恋人。




「ばれんたいでーきっす」

鼻歌を歌いながら勝手知ったるシズちゃんの家に鍵を使って入る俺、折原臨也です。
もうバレンタインは過ぎたけど、音楽は季節関係無いよねえ。
機嫌が良いのか、と言われたならば良いと応えるし、理由は、と聞かれたならば応える。
それほどに今は機嫌が良い。

「明日は特別スペシャルデイ、…あれ?シズちゃん居るの?」

乱暴に脱ぎ捨てられた靴が玄関に転がっていた。
今は夕方。居るってことは、帰ってきてるのかな?
何時もは日付が変わった時間帯なのにね。でも出迎えも無いし、寝てるのかな?

「一年一度のチャンス」

フンフン、と鼻歌を歌いながら部屋に通じる扉を開けると、ベッドに…あれ、ベッドにまで行く気力が無かったのか、ベッドに背を預けながら寝ているシズちゃんを発見。
珍しい。そんなに眠かったのかな?それとも疲れてた?
鼻歌をやめて静かに近付くとうっすらと目を開けるシズちゃん。

「おはよ、寝るならベッドに…」
「…誰だ、」
「え」
「………、あー?」

寝惚けているのか、ぼんやりと俺を見るシズちゃんに俺はちょっとドキドキした。
何か何時ものシズちゃんじゃないと調子狂うんだけどなあ。
はっきりしてきたのか、今度は力の篭った目でこちらを見た。
それにゾクとして、得意のポーカーフェイスで誤魔化す。多分シズちゃんにはバレるけど。

「………なんだ、手前か」
「何だとは酷いなあ、俺と君の仲じゃない」
「……あー、腹減った」

やだね、スルーかい?

「今日はこんなに早いとは思わなかったからご飯持ってきてないんだよねえ」
「つーか、何で居るんだ」
「会いに来たんですー。ご飯も作って新婚サンみたいなことしようと思ったのにさあ」

まあ、材料はあるし別に今から作るにも多少時間が掛かるけど作ってもいいし。
何を作るかも決め手ないんだけどね。材料はカレーね、無難に。

「……どのくらいで出来る」
「うーん、そうだなあ。30分ぐらい待ってもらえたら」

米炊いて、かれーの下準備して…40分くらいかな?一時間はかからない。

「じゃあ、作れ」
「はいはい」

亭主関白もいいよね、うん。
俺、多分君限定のMだから。言ったら引くだろうから言わないけどね。
シズちゃんたまーにSだからね、俺ってばゾクゾクしちゃうもん。なんちゃって。

「臨也」
「なあに」
「変なこと考えてねえで、早くしろよ」

いやん、バレてる。
取り敢えず不意打ちでシズちゃんにキスをしてから、いつの間にか腰を抱きしめていたシズちゃんに笑う。

「離さないと作れないでしょ?」

まあ、俺もシズちゃんの首に腕を絡めてるけど。
いやあ、触りだすとなかなか離れがたいよねえ。

「……シズちゃん」
「ん」

嗚呼、やばいな。というか久しぶりだよね、会うの。
俺忙しかったしなあ。シズちゃんに会えなくて苛々してたし。

「ちゅーして」

なんて、俺からお願いしてみた。
(甘い雰囲気に流されたことにしてね)

君にキスを、俺に愛を



100420
崩壊もいいとこだ。BGMがカヲスだったから仕方ない。
4月20日、静雄の日なので甘ったるく。




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