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君との一週間、火曜日。


★一週間シリーズ、火曜日。








★シリーズ二つ目。相も変わらず別人。
始まりから火曜日。


「シズちゃん、ほら、アレが何か分かる?」
「ん、分かる」
「可笑しいな、なんでアレがわかって俺を覚えてないのさ」
「知らねえ」
「ま、いいか。次は何処に行く?」
「サイモンのところ」
「ええ、露西亜寿司分かるんだ?」
「セルティも分かる」

シズちゃんが子供になって二日目。
黒髪で新鮮なシズちゃんをようやく見慣れてきた昼下がり。
池袋を中心にナニを覚えているかを聞きながら歩き回っていた。
手を繋いだり肩車をしながら歩いていたら、やっぱり目立つよね。
噂が即効で回ってきた。ま、いいけどね。
金髪だとシズちゃんとかと間違えられるけど、黒髪だし子供だし誰も気付かないだろう。
このことを知っているのは、新羅とセルティ、そしてシズちゃんの上司であるトムさんって人。
一週間くらいなら休んでも構わないってさ、まあ、こんなんじゃ仕事にならないからねえ。

「あ、サイモンだ」
「こら、シズちゃん。サイモンは君のこと多分わからないから名前を呼ぶんじゃないよ」
「ん」

物分りはいいんだよねえ。
でも、この俺だけ記憶がないのは、理不尽じゃないかな。
高校からの付き合いとは言え、なんでサイモンとかトムさんとかは分かるのに、さ。

「詰まんない」
「いざや、疲れたのか」
「んーん、違うよ」

馬鹿みたいな俺の嫉妬なんて気付かないでね。
格好悪いでしょう。

「なあ、」
「なーに」
「お前、新宿に住んでるのに池袋に詳しいんだな」

なんていわれた。
…、いやまあ、それは毎日情報集めに来てるし、シズちゃんをからかうために来てる、し。
今思うと新宿の方が無知なんじゃないかな、俺。
うわ、やだな。

「…、そりゃ前に住んで、たし」
「引っ越したのか」
「まあね、あっちのがよかったからねー」
「ふうん」

なんて。
嘘を吐いた。
だって、今の君に言っても分からないでしょう。
俺が新宿に居る意味なんて、君のこと意外で何の特があるのさ。
シズちゃんが居るから、俺はここに住めないんだよ。
まあ、殺し合いをするようになってからは近くに住んでると危ないからね。
シズちゃん、すぐ俺に気付くんだからさ。
俺専用のレーダーでも付いてんのかな、一時期本当に考えてたなあ。

「あ、」
「?」
「セルティだ」
「あらま、ホントだ。珍しいね、街中は嫌いだったと思うんだけど」

といいながらセルティに近付く。
こちらに気付いたセルティが軽く手を振る。
PADで何かを打ち、近付いてくる俺たちの前にそれを見せる。

「二人とも、散歩か?」
「そうだよ、シズちゃんが色々覚えてるか確認がてらね」
「そうか」

何かを思いついたのか、カタカタと撃ち始めたセルティの行動を見ている。
打ち終わったのか、また目の前に差し出される。

「これから家に来ないか?昼食でも持て成すぞ」
「おお、やった。シズちゃんいく?」
「ん」
「じゃあ乗せていく。こっちだ」

バイクを律儀に留めていたセルティに笑いながらシズちゃんを肩車から下ろす。
セルティに向かって走り出したシズちゃんの姿に少し笑ってしまう。

「はは、可愛いなあ」

そうだ、記念に写真を撮っておこう。
セルティもシズちゃんに対しての愛情があるから、焼きましてあげよう。
記念だからね、これくらいしてもバチは当たらないさ。
カシャ、と後姿が写る。
なんてほほえましいのだろうね!
バイクに乗るために抱き上げられたシズちゃんも撮っておこう。



「おかえりセルティ!…なんだ、君も居たのかい、臨也」
「悪かったね、今日はセルティおお誘いなんだよ」
「まあ、セルティがやることに間違いは無いからね、鎌わないよ」
「どーも」
「新羅、今日も引きこもりか?」
「やだな、静雄。そんなわけないだろう?僕はこれでも医者と言う職種なんだがね?」
「闇医者だろ、お前」
「臨也にはトマトの千切りでも持て成そうか、セルティ」
「…」



「おいしくなかったら言え、静雄」

そう出されたPADを見ながら首を振るシズちゃん。

「セルティが作るのは美味いぞ」
「「…」」
「そう、か。有難う」

何か、何かさ。
俺がいうのもアレなんだけど、シズちゃんって、天然タラシ…なの?
新羅も固まっちゃったじゃん。いや俺も止まったけどさ。
セルティも照れているのか、しきりに指を触っている。
いや、アレ絶対母性本能をくすぐるって奴じゃないかな。
普段のシズちゃんは言わないけど態度でわかるから、セルティも把握してるし。

「シズちゃん、ご飯粒ついてるよ」
「どこ」
「そ、」

と言いかけると隣に座っていたセルティの白い指が伸びた。
あ、と思う間もなく触れる指先。あ、やばい。本気でお母さんみたいだ。

「セルティ」

と黙っていた新羅が呼びかける。
横に向けていた身体が正面に座っている新羅に向く。
ヘルメットを被っていないから、俺じゃわからない変化に気付く新羅は凄いと思う。

「あのさ」
「なんだ」
「もう静雄を僕達の子供にしないかい?」

ごふ、と飲んでいた味噌汁口につけたまま噴いてしまった。
危ない、零れなくてよかった。勿体無い。

「なんだい、臨也。ちゃんと最後まで食べないと許さないよ?」
「……新羅、ちょっと今の聞き捨てならないんだけど?」
子供にする?
それ、俺がしたいんだけど、なんては言わないけどさ。

「一週間なんて効き目は僕が打ち消してもいいし、臨也も池袋に戻ってこれるじゃないか」

……いや、あのね。
君たちはいいかもしれないけどさ、俺は折角の興味を消すつもり?

「やめてよね、大体俺が言いたいこと分かってるくせに聞くのやめなよ」
「嫌だな、いつも毒を吐いている君らしくない。そして君のことを理解はしているつもりだけど、考えまでは分からないよ」

にこ、と笑う新羅の笑顔が胡散臭い。嫌だね、馴染みってものは。

「…いざやは俺が邪魔なのか?」
「まさか!」

ぽつり、と零したシズちゃんの言葉に即座に反応して否定を返す。

「…」

ああ、隣でニヤニヤする医者の足を思い切り踏む。
机の下の攻防って見えないからいいよね。

「っ…!!」
「シズちゃん、午後はナニをしようか」
「幽に会いたい」
「…、確か今海外じゃなかったっけ」
「幽くんなら帰ってきてるよ、職務怠慢かい臨也」
「セルティ、こいつ殴っていいかな」
「いいぞ、今の発言は新羅が悪い」

預けた本人が俺に余裕がないのを知っているくせに。
まあ、自主的に休んでいるだけども。

「暴力反対、ああ、静雄好き嫌いは駄目だよ」
「…」

ぴく、とシズちゃんの方が揺れるのを見て苦笑する。
好き嫌いも変わってないのね、これは変わっていない事実。

「食べないなら頂戴、シズちゃん。それ俺好きだから」
「…セルティ、普段がこんな臨也ならいいのにね」

セルティは何も言わなかった。
…否定くらいはしてほしかったな。


「ん」

と、差し出されたにんじん。
おいしいのにな、勿体無い。
あーんとされ咀嚼しながら考える。
ごくん、飲み込んでから新羅の足を蹴る。

「い、た」
「セルティ、ご馳走様。おいしかったよ」
「お粗末様、有難う」

シズちゃんも手を合わせていっていた。うん、礼儀もちゃんと備わっている。
さて、ナニをしようかな!


★おまけ(会話文)

「ねえ、これってどう思う?」
「子供特有のお腹が膨らめば眠くなるって言うアレでしょう」
「カメラはあったかな、新羅」
「ああ、あるよ使い捨てか一眼があったはずさ」
「ちょっと、俺が集めてるんだから邪魔しないで」
「すまん、臨也。可愛いからつい、な」
「セルティ、欲しいならこれあげるけど」
「え、これ盗撮?臨也、ついに犯罪まで手をぁだだ!」
「さっきのバイク乗る前の奴ね、シズちゃんが可愛いくてつい」
「欲しい!」
「了解、引き伸ばしてあげるよ」
「有難う」
「臨也、今日は何時にも増して暴力的だね?それとも不可抗力なのかい?」
「自業自得なんだよ」
「そうとも言うな」
「セルティまで…」
「ま、このショットは俺が撮るってことで」
(子供の無垢な寝顔に愛を感じないなんて人間以下だね!)


100329
第二弾。
自分が恥ずかしい。そして文章が雑。多分打ち間違い多数。
後悔はしていない!w




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あきゅろす。
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