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Act.3




『…………』






『と、と言うことは……いわゆるセフレ…?』

「そうだよ」







『……っ!』






最低…






ューベーズ
Act.3:アイス王子様と俺様マスター






さっき全力で走ったおかげで森からは出ることは出来た。
だけど、迷子だという事実は変わらない…






『…………』






さっきの人、嫌だ…


女の子を道具としか見ていない感じ。
アイツを思い出しそうになるから…






『……ううん!駄目だこんな気分じゃ!!』






せっかくの新学期!わくわくドキドキの入学式なんだから落ち込んじゃだめだよね!


まぁ、入学式には出てないけど。






『……まずは、玄関を見つけないと』






ん?これを俗に言う振り出しに戻ると言うのかな…?
ならば、何かしらの対処しなくちゃなぁ…


そう思いつつ、トボトボと歩く足は止めず私は曲がり角を曲がった。





「わっ!」

『ギャッ!』






すると、前を見ていなかったせいか思いっ切り人とぶつかってしまった。






――ベチャ―






……しかも、ぶつかった衝撃で座り込んでしまった私のスカートの上に何か冷たいもの。


茶色いし…まさか、う○こ?!






「ああ!すみません!!」

『え、いえい――』






目からウロコ?
豆鉄砲をくらう?
あー…テンパってきて思考が回らなくなってきた。


とりあえず、私が何を言いたいかというとかなり吃驚しました。






「あ!俺のアイス?!
まだ一口しか食べてないのに…


いや、それよりスカートが…!ほ、本当にすみません!!」

『格好いい…』(ボソッ)






透き通るような青い瞳。
それと同様綺麗な青い髪。
そして風になびく青いマフラー…。


まさに王子様そのもの!!(マフラーにツッコミは無し?)






「えっとー…」

『あ!ごめんなさい!!
とりあえず、私は大丈夫だよ?』

「で、でも…」

「おい、カイト!何やってんだよ!!」






へ?


声の聞こえた方に頭だけ振り向かせると、そこには黒い髪の毛で少し切れ長な目をした青年が立っていた。






「マスター…!」






しかも、王子様の知り合いみたい…
名前は…マスター君?




マスター君は気怠そうにこちらに歩いてきて、私をパッと見た。






「……!?」






すると、一瞬驚いたような顔をしたが、またすぐ王子様に視線を戻し無表情になった。






「早く行くぞ」

「あ!マスター!!待って下さい!
実は…」

「んぁ?一体お前何したんだよ」

「実は……斯く斯く云々(カクカクシカジカ)なんです」

「……はぁ?!お前、またそんな面倒くさいこと起こしたのかよ!」

「す、すみませんマスター…」






うん、二次元って便利だね。
斯く斯く云々で通じるんだもん



……と言うか






「仕方ねぇな…保健室にでも連れて行かせろ」

「はい、マスター!」

『ちょっと待った!!
そこのマスター君!』

「あ?」

『さっきからそこの王…じゃなくて、青年のこと命令口調で…と言うか命令しているけど、あんた何様のつもり?!!』

「は?別にお前には関係ないだろ」

『うっ…確かに関係は無いけど、王…青年が可哀想でしょ!!』

「お前さっきから何言い掛けてるんだよ」

『あんたには関係ない!』

同じこと言ってんじゃん…


それに別に良いんだよ、俺はこいつのマスターだしな」

『マスター…?』






な、なにそれ!
つまりマスター君の名前がマスターって言うから命令出来るってこと?!(?)
それなら、全国のマスターって名前の子は全員私達、一般人をパシリにすることが出来るってこと?


そんな…そんなのって…






『差別だよ!』

「んぁ?」

『人間皆兄弟!
なのにそんな…名前一つに縛られれる訳ないでしょ!!』

「……コイツ何言ってんだ?」

『…………(怒)』

「と言うかお前、俺が誰か知らねぇのかよ?」

『知りません!』






私がそうきっぱり答えると、マスター君は一つ溜め息を吐いた。



え、な何…?
もしかしてマスター君ってテレビに出るような芸能人とかなの?

い、いや!例え相手が芸能人だとしても差別はいけないよ!!






「……もしかしてお前新入生?」

『え、うん…』

「……入学式は?」

『迷って体育館に辿り着けない!』

威張るな


仕方ねぇな…おいカイト、コイツをクラスまで案内しろ」

「はいマスター!!」

『え、ちょ!だーかーらー!!』






王子様をパシらないでよ!
確かに王子様に案内されるのはすっごく美味しいけど…






「おいブス」

『な!?』

「俺の名前は本条響だ」

『……へ?』






本条…響?
マ、マスター君じゃないの…?






「あ!そうでした、自己紹介がまだでしたね
俺の名前は始音カイトです!」

『えっと…櫻井雛です』






あ、乗りで自己紹介しちゃった。
まぁ良いか、自己紹介くらい…






「雛、俺に逆らったことを後悔させてやるからな?」

『はい?!』






そう一言告げると、彼はニヤリと妖艶な笑みを浮かべその場から立ち去ってしまった。
その笑みを見た私はおぞましさや懐かしさやときめきなどの様々な感情に覆われた。






『……何なのアイツ』






しかも…


呼び捨てされた!!(怒)
いきなり呼び捨てって…かなり腹が立つのは何故ですか?!(知りません)






「それじゃあ行きましょうか雛さん?(ニコッ)」

『は、はい!!』






だけど王子様の笑顔に免じて今回は許してあげますよ。






アイス王子様と俺様マスターEND



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