Act.2
『ふわぁー…大きい』
今日はいよいよ星音学園の入学式。
私は校門の前で一度足を止め、両手で頬を叩き気合いをいれた。
もう一度制服が可笑しくないか、髪が乱れていないかを確認して…
『いざ!』
聳え立つ校門をくぐり抜けた。
チューベローズ
Act.2:最悪な出会い方
『……どうしよう』
ヤバいヤバいヤバい…。
完璧迷った。
時間帯的にもう入学式は始まっているだろうな…
『せめて中に入れれば良いんだけど…』
しかし、入れる場所が一向に見つかる気配がない。
さらに言えば、今は入学式の最中のため人一人として見つかる気配がない…
『ヤバいー…!!』
確か、校則には遅刻はOKって書いてたけど…
校内に入れなくて遅刻どころか欠席扱いになりそうなんですけど…
欠席は三回したら停学、五回したら退学らしいし…
(変なところで厳しいよね)
『……とりあえず歩こうかな』
そうすれば、いつかは入り口が見つかるかも知れないし…
***
『…………』
下手に歩かなければ良かった。
周りは何故か……森
この学園はどんだけ広いんですか?!!(泣)
ほら、耳を澄ましたらキーキー謎な鳥の声も聞こえてきますよ。
「………っん!…あ…」
ほら、ま………た?
ん?何か変な声が…
「………れ……っ」
人だ!!
今の声は絶対人だよ!
確か右の方から…
キラーンと目を光らせて、声の聞こえた右の方向へ一直線!!
しばらくしたら、2人の人影を見つけた。
『(やった!!)あの「んあぁ!!」
『…………』
これって…もしかして…
「んんっ!き、気持ちい、よぉ!!」
『…………』
あれですか…
英語で言うと、アルファベットの最初から八番目にくるやつですか。
または十九番目と五番目と二四番目にくるやつですかね?
あ、相手の男と目合った。
…………ん?招かれて、る?
「……どうしたの、レン?」
「ん?もう一人、相手にしてほしそうにしてる子が居るみたいだからね」
相手にしてほしそうにしている子…?
周りを見て私の他に誰か居るか確認するが…誰も居ない。
「おいでよ」
『…………』
私ッスかぁあぁあぁ!!?
と言うかその子は彼女じゃないの?!
あ!も、もももももしかして遊び……とか?
『で、でもその子…彼女が居るじゃない…』
「え…?
ああ、もしかして三人嫌な子?
ならちょっと待ってて、今終わらせるから」
『いやいやいや、終わらせるからも何もその子彼女でしょ?』
「……違うけど?」
『え…?』
「この子は俺の友達だよ」
NA N DE SU TO !
『と、と言うことは……いわゆるセフレ…?』
「そうだよ」
彼女(セフレ)を撫でる彼。
確かに目を細めて、彼女に向けて微笑む笑みは鋭く…冷たかった。
『さ、さささささ…』
「さ?」
『最低!!』
「!?」
そして私は、そこらへんに合った軽石を投げてそのまま逃走した。(いわゆる言い逃げ)
「何なのあの子?!」
「……クスッ」
私が去った後、あの男が妖しく微笑んだことも知らず…
『………っ!…』
頬に少しだけ流れる涙を拭った。
Act.2:最悪な出会い方END
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