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Act.7




最低!最低!最低!!


……初めてだったのに
初めてが、あんな乱暴な…







「あ、雛にレンお帰りー」

「ねぇねぇ!2人で何話してたの?」

『千雨!帰ろう!!』

「え?!どうしだのいきなり!!?」

『じゅ、授業始まっちゃうし…!』






嘘、

授業が始まることは嘘じゃないけど…
帰りたい理由は…こんなのじゃない






『それじゃあ、みんなまたね
カイト先輩、必ずハンカチ返しにきますね』

「あ、うん…」






そして私は千雨を連れ、教室を後にした…逃げるように。
早くここから、アイツの前から消えたい…






ューベーズ
Act.7:馴れ初めは?






「一体どうしたのよ雛?」

『千雨…』






「だって当たり前じゃん
オレの方がみんなと付き合い長いんだし、付き合って間もない雛の話を信じる人の方が少ないと思うけど?」



アイツの言いなりになる訳じゃないけど、確かにアイツの言う通りだよね…
千雨と結構仲良くなったけど、実際の所千雨と合ってからまだ数時間しか経ってないし…






『はぁ…』

「人の顔見て溜め息つくの止めてよ」

『だけどねー…
あ、そう言えば千雨はがくぽ君のマスターなんだっけ?』

「あんな奴ナスで充分よ」

『いやいやいや、流石にそれは可哀想でしょ』

「で、アイツがどうしたの?」

『いや、どうやってマスターになったのかなぁーって
馴れ初めってやつ?』

馴れ初めは恋人に使う言葉でしょ
そうねー…まぁ、きっかけをくれたのは響先輩だったわね」

『響先輩?』

「うん、響先輩はお父さんの会社の関係で前々から知ってたの

響先輩は昔から色んな人に人気があったんだけど、私はこんな性格だから友達が一人も居なかったのよね
そんな時響先輩が私にアイツを紹介してくれたの」






「おお!そなたが紺野千雨殿か!!」

「そうだけど…あんた誰?」

「我の名は神威がくぽと申す
突然なのだが我のマスターになってもらえないか?」

「は…?」







「とまぁ、こんな感じかしらね?」

『へぇー』

「だからちょっと響先輩には感謝してるのよね…
所でなんでこんな事聞いたのよ」

『ちょっと気になって…
だけどVCL組のみんなって全員マスター居るんだよね?』

「ううん、確かレンは居なかったはずよ」

『あんな奴使いたがる人なんて現れるわけないよ…(ボソッ)』

「ん?何か言った?」

『ううん、何でもな「「「キャーー!!!!」」」

『?!』

「うるさ…一体なによ?」






私の言葉は複数の女子によって遮られた。
今ので一気に不機嫌になった千雨が、声の発祥地である廊下側の扉に目を向けたのを見て、私も目を向ける。






「よー千雨!」

「あー…なる程」

『…………』






私も納得…
来た人がこの人だから女子が騒ぎ出したんだね。






「「「響先輩ー!!!!」」」

「あ、ブスも一緒か」

『…………(怒)』






ダメだ、
いくら女子に人気が有ろうが、いくら千雨が感謝していようが私はコイツを好きになれない




Act.7:馴れ初めは?END



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