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Act.5




『千雨…?
一体VCL組ってどこにあるの?』

「あと少しよ」

『うん…』






とか何とか言ってますけど、私の教室を出発して10分は経ってますよね?
そんな遠いんだ…VCL組
こんなに遠いのにカイト先輩は私を送ってくれたんだ…


うー!駄目だ!!
諦めようとすればするほど、頭の中がカイト先輩でいっぱいになっちゃうよ…






ューベーズ
Act.5:異世界room






「ここよ」






千雨に案内されたVCL組は私達のクラスから少し離れた場所にあった。
千雨は教室につくなり、ドアの所に設置された機械に自分の人差し指の指紋をかざした。






『え?ち、千雨何やってるの?』

「見ての通りよ
こうでもしないとファンの子達が凄くてね…
機械もノイローゼになっちゃうのよ」

『そうなんだ…』






ノイローゼなんて、本当に人間みたいなんだなぁ。
だけど、人間じゃないんだよね…






『……はぁ』

「…………入るわよ?」

『あ、うん!』






そして千雨がドアを思いっきり開けた。
ついでに私もこっそり中を覗く(おい)

すると、中はまさに異世界と言っても良いくらい、格好良い男の子と可愛い女の子が居た。


うん…これならみんなが騒ぐ理由も分かるかも






「あ、主殿!一体どうしたのだ?」

「ん?ちょっと新入生の子にこの学校とこのクラスの案内」

「そうであったのか…
やはり優しいな主殿!」

「別に…」






あ、千雨照れてる。
ツンデレタイプなんだな、千雨は


…………ん?ちょ、ちょっと待ってよ?
主殿…って事は――






『千雨ってもしかしてマスター?!』

「え、うん」






“はぁ?なに言ってるの今更?”的な千雨の顔。

え、いや…
まさかこんなにも普通に返事されると思ってもみなかったので、逆に私がびっくりです。


だけど…確かにあれだけVCL組の人に詳しくて、指の指紋を翳している時点で可笑しいはずだよ、ね…?
うわぁー…全然気がつかなかった






「ちーちゃん!その子誰?」

『あ、えっと…』

「雛よ」

「雛ちゃんって言うんだ!!
アタシ鏡音リン!よろしくね雛ちゃん!!」

『あ、うん!よろしくリンちゃん…?』

「うん!」






ニコニコと笑顔で話しかけてきたリンちゃんは、金髪の髪に頭の上に大きい白いリボンを付けていて、本当に本当に可愛かった。


だけど…――






『(どこかで見たような…)』

「それにしても珍しいね、千雨ちゃんが友達連れてくるなんて!」

「五月蝿いミク」

『ミク…?』

「あ、私の名前だよ
初音ミク、よろしくね雛ちゃん!」

『よ、よろしくミクちゃん!』

「ミクで良いよー?」

『じゃあ、私も雛で良いよ!』

「本当に?ありがとう雛!!」






緑色の髪のツインテールをした、これまた可愛い女の子。
素直そうな感じで、性格も凄く良さそうな子だなぁ…


と言うかVCL組可愛い子多くない?






「本当に珍しいわ…
私の名前はメイコ、咲音メイコよ。よろしくね雛」

『よ、よろしくお願いします…!』

「どうしたのよ?
そんなにどもったりして?」

『えっとー…』






胸が、デカい。
す、凄いよコレ…年は違ったとしても、普通にデカい。
とにかくデカい。


分かった、作った人可愛い&巨乳好きでしょ。






「私も呼び捨てで良いわ、堅いの嫌いだから、ね?」

『はい!』

「あと敬語も無し!」

『は…うん!』






だけど性格設定は完璧です!!
みんな凄い優しいよ!
う、嬉しいなぁ…!






「あとは…」

「あ、みんな何してるの?」






――どきん―






「カイトこそ何してたのよ?」

「レンを探してたんだ
もう少しで授業始まるし、マスターがこれ以上授業に参加させないのは流石に見逃せないって」

「流石響兄は真面目だよね!」

「私のマスターももう少ししっかりしてくれたら良いのに…」

「あはは、だけどめーちゃんの……あ」

『へ?』






ど、どどどどどうしよう!!
カ、カイト先輩と目が合っちゃった…!!

うわぁ、ポカン顔凄い可愛い!!
じゃなくて…


お、覚えてるかな?
さっき会ったばかりだと言っても、カイト先輩にとってはこの学校の中にいる女子の一人だし…






――どきどき―






「あ、雛ちゃん!」






覚えてて…くれたんだ。

どうしよう…
嬉しすぎて、涙が出そうになる。






『はい!』

「ん?カイト殿と雛殿は知り合いなのか?」

「さっき俺がぶつかってアイスをスカートに落としちゃったんだ…」

「うわぁーカイ兄マヌケー」

「雛大丈夫だった?」

『うん!私は大丈夫だよ
カイト先輩、このハンカチ明日まで洗濯して必ず返しますね!!』

「本当に?ありがとう雛ちゃん!」

『い、いえ…!』






ヤバい、どうしよう…
やっぱり私――






「ねー、ちーちゃん」

「なに?」

「雛ちゃんって…」

「明らかよね…」

「だけど雛可愛い!」

「ミクってそっち系だったっけ?」

「雛は別!」

「あ、そ」






カイト先輩のことが、好「何時まで俺を無視するつもり?」

「あ、ごめんごめん!
雛ちゃん、この子は俺と同じVOCALOIDの鏡音レンだよ
リンの双子の弟で、確か雛ちゃんと同い年だよ」

『そうなんですか…!
よろしくねレ…――』






目を疑わずにはいられなかった。
だって、カイト先輩に紹介された…
そしてVCL組のリンちゃんの双子の姉弟が…






「よろしく雛?」






「この子は俺の友達だよ」




アイツだなんて…――






Act.5:異世界roomEND



あきゅろす。
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