SS
クオミク《素直になんて不可能》
※クオミク
学パロ
「今日も可愛いよ」
なんて歯の浮く言葉なんかサラッと言って、今日もアイツは女の子達の機嫌取りをしてベタベタしている。
なんて女ったらし。
毎日毎日教室で女の子達に囲まれてヘラヘラしてるアイツが視界に入った。
最悪だわ。
そんな奴と幼い頃から一緒…つまり、幼なじみだという事も最悪。
なにより私がアイツを好きだという事実が最悪。
なんであんな男を好きになっちゃったんだろう。
他にもっとまともな人がいるだろうに、…よりによってあんな奴を。
自慢のツインテールをいじりながら、溜め息を吐いた。
◇◇◇
帰りのSHR終了後。
先生に理科の実験用具を準備室まで運ぶよう頼まれた。
日直の仕事…らしい。
頼まれてしまっては仕方ない。
よいしょ、と気合いを入れてダンボール一つ持ち上げる。
中にはギチギチに物が詰まっていて、案外重かった。
「お…重い…」
足を引きずるように廊下を歩いていく。理科準備室は人が余り行かない端っこに位置するから遠い。
うぅう…と唸りながら歩いていた時、ふと手から重さが消えた。
…あれ?
「そんなスピードじゃ日ィ暮れる」
「…あ…」
いつ来たのか。
隣を見れば、ミクオが私から取り上げたダンボールを持って立っていた。
そしてそのまま、当たり前みたいに準備室へと向かう。
私は暫く呆けていたけれど、ハッとして後を追った。
「ちょ、ちょっと!私が頼まれたのよっ!?」
「ぁあ?日が暮れるっつってんだろ。なに見栄張ってんだよ、バカか」
「なっ…」
あの甘い言葉を吐いてた口はどこ行ったんだ!と心の中で毒づく。
…いつもそう。
他な子達には聞いてるコッチが恥ずかしくなるような言葉を掛けるくせに、私には冷たい口調でしか話し掛けてこない。
あ、ネガティブに考えてたら悲しくなってきた。
「…っアンタになんか助け求めてないわよ!」
「……」
…無視ですか。そーですか。
私ばっかり好きで、馬鹿みたい。ミクオが言った通り私はバカだわ。…こんな奴、嫌いになっちゃえば楽なのに。
私が葛藤している間にミクオは理科準備室に実験用具を置いてきた。
「あのさ、今日の帰り…え?」
ポケットに手を突っ込んでダラダラ帰ってきたミクオは、私を見てギョッとしたように目を見開いた。
「なによ」
「…どーした?」
「え?」
ん?聞き間違い?
なんかミクオが私の事心配してるように聞こえたけど…?
ていうか、何を心配して…?
「泣いてんの?」
え?
「はあ?何言って…」
その時、ツゥっと頬を暖かい滴が伝ったのがわかった。
ああ、やだな。
泣き顔なんて見られたくないのに。なんで泣いてんのよ、私。
…かっこ悪い…。
ミクオの視線から逃れたくて俯く。
さすがの奴も動揺しているみたいで、どーしたんだよなんて言いながらもう少しで私の頭を撫でる所まで手をあげた。
でも、その手が私に触れる事はなく、スッと引っ込められる。
…そういえば、アンタは私に触れもしなくなった。
いつからか。
そんなに私が嫌いなら、言ってくれたらいいのに。
…その方がずっと楽なのに!
「ミクオの馬鹿っ!!」
そう言い残して私は来た廊下を逆走した。
ミクオは唖然として突っ立ったまま。
…ああ、もう。
馬鹿なのは私だわ。
(素直に“ありがとう”って言いたかった)
-END-
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ツンミクにハマってます。
たらしクオ×ツンミク?でした*
クオミク可愛いな…ww
ミクオ視点も書きたい((
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