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05.Name









『正宗<マサムネ>…還してもらおうか』











フロア内に緊迫した空気とただならぬ殺気が渦巻く。

あの小さな身体からこんな殺気が出てくるなんて…



肌にビリビリと感じる殺気にザックスは冷や汗と共に戦いの血が騒いだのか小さく笑いを零した。





「お前、村正<ムラマサ>の継承者か…生憎、これを返す気など無い」

『…じゃあ力づくで返していただこうか?』

「これは私の刀だ」

『そう…ならば破壊するまでだ…ッ!!』







ダンッ…ギィィインッ!!!!!!









すさまじい刀の交える音が響き渡る。

コトリの右手からはいつの間にか現れた正宗によく似た、それより少し短い刀が握られていた。



「正宗を破壊だと?

何故だ?」

『アンタが知る必要などない…!!!』

「ふん、…ならば吐かせるまでだ!!」







凄まじい攻防戦。

お互い一歩たりとも退かない。

息をつく隙さえ皆無。










―バタバタ――バタバタバタバタ―…




突如聞こえた機械音。
だんだんと近づく人工的なそれ。

これはヘリコプターだ。

ザックスは音の聞こる方向を振り返った。









――バリーンッ




       ガキィィッ……







突如窓ガラスが割れ、気づけば二人の間に見慣れた黒髪の彼がいた。





「お前達何をやっているんだ!!!??」

「アンジールッ!!!!」





大剣とソルジャーに至急される剣で殺気立った二人を止めているクラス1stの戦友。

ド派手な彼の登場にザックスはハッと我に戻り何も出来なかった自分に情けなく思った。





『そこを退け!俺はその刀を、ッ…!?』

―ドスッ






アンジールはコトリの腹に拳を食らわせ動きの止まったコトリを肩に担ぎセフィロスと交えている刀を弾いた。





「セフィロス、…何を熱くなっている?いつも冷静なお前が一体どうした?」

「………フンッ」



「……ザックス、コイツを頼む」

「あ、おう!」






急いで駆け寄りアンジールから気絶したコトリを預かり抱き上げた。





―――軽い…





その身体はまだ幼いということが痛感できるくらい軽かった――…








セフィロスは刀を逆に持ち鞘に納めずにアンジールと話をしているのが見えた。
…一応臨戦体制らしい。





なんでだ?





…………あれ?


そういえばコイツの刀消えてる……





え、……てことは。
















―――…さすがだな…―ザックス…











「……やっぱり」






脳内に響き渡る澄み切った声。

俺はこの声を知っている…


陰陽族?だっけ…やぱ、すげぇな






――ザックス…さすがソルジャーだな

アンタは神羅だけど純粋で好きだった……








彼はうっすらと目を開け、耳元で…






「俺は、スバル…ありがとう」







耳元でそう呟かれると共に手元から消えた小さな体。
瞬時に振り向けばセフィロスに切り掛かるスバルの姿。
しかし、直ぐに振り抜かれた正宗に腹を斬られ割れた窓からその小さな身体は吹っ飛ばされていた。


飛び散る鮮血。
セフィロスも片腕に深手を負っているのに気付きザックスは驚きを隠せない。



飛ばされた後には赤い跡が走り、窓の外にはもうすでに姿もなく彼を見つけることは出来なかった―――





それが最後に見たコトリの、スバルの姿だった。




end

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