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24.look like you






辺りを敷き詰める白銀に瞬く銀世界。
何を楽しくてこんな極寒の地に来たいと思うだろうか。
せっかく久しぶりにエアリスに会えると上機嫌で歩いていると皮肉にも立ちはだかる戦友のタークス・ツォン。

エアリスはいないと簡素に告げられた事実。

そして鳴り響いた携帯。
内容は統括からの命令でジェネシス・コピーを製造しているホランダーの実験施設が発覚し、ジェネシスとホランダーの行方が掴めたとのこと。

要するに奴らを倒せと…

ただ坦々と語られたその文面から、大人しく従い任務を遂行しろとそう読み取れた。



今回はタークスと数人の一般兵が同行。
…一応、統括も人間味のある対処をしてくれたらしい。
だって毎回ピンですから。





「ったく、寒いっつーの!」





支給された装備は極僅か。
まして、ヘリがモンスターによって撃墜され炎上してしまったので余計。

ソルジャーがいくら強靭な身体をしていても正直、防寒具くらい出してくれてもいいんじゃないの…?





「モデオヘイムまでここからそれほど遠くない、歩いて行こう」

「よーし!俺について来い!」

「……こういう時にはお前がいると助かる」

「どーせ田舎もんですー」









吹雪が吹き荒れる。
山の天気は変わりやすい。
しかしこの地帯は恐らく晴れ間が見えることなど殆ど無いのであろう。
豪雪に脚を取られ無駄に体力を消耗していく。


田舎育ち且つ、ソルジャーであるザックスにはこれ位大したことではない。
だが振り返ればツォンも一般兵も苦労しているようで大分後ろを歩いていた。





「おーい、大丈夫かー?」





気遣いながら幾度も後ろを見つつ脚を進める。


すると意外にも隣に一人、自分のペースについて来られてる一般兵がいた。
ヘルメットを深く被り表情は読み取れないが、そんなに息も上がっておらず逆にこういう土地に慣れている感じだ。





「おっ、お前なかなかやるな〜」

「俺も…田舎の出だからな」

「どこ?」

「ニブルヘイム」






一瞬聞き慣れない地名にキョトンとなるも、明らかに田舎臭い名前に思わず噴き出し大声で笑う。
明らかに彼に失礼なそんなザックスの行動に彼は気を害しムッとなりムキになり叫ぶように問い返した。





「そういうザックスはどこなんだよ?!」

「俺?ゴンガガ」

「ぷっ」

「あ!笑ったな!?知ってるのか?ゴンガガ」

「いや…でもすごく田舎らしい名前だ」

「ニブルヘイムだって」

「知らないくせに」





とんとん拍子に弾む会話。
ソルジャーと一般兵という身分の差、話すことのない二人がいつの間にか息統合していた。
まして、人見知りで口数の少ないする一般兵の彼自身が一番驚いていた程だ。





「行ったことはないけど魔晄炉があるんだろ?ミッドガル以外で魔晄炉のある所って大概…」


「「他にはなにもない」」





まさかの重なる声。
顔を見合わせ大爆笑。

僅かながらに安心感が生まれる。
なんだ、コイツもしかして俺と同じなのかも…





「ザックス、しっかり歩け!」

「心配すんなってツォン!俺と…」

「クラウド」





クラウドは名前を名乗ると共にヘルメットを外した。
途端風に揺れる金色の髪があらわになり、空色の瞳が重なる。





「俺とクラウドがいればどんな辺境の地でも恐いものなし!」





自信ありげに叫ぶザックス。
さすがのツォンもやれやれと溜息を吐き小さく頼りにしてると呟くのであった。



end

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