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23.wish







獣たちの戦いが世に

終わりをもらたす時

冥き空より女神が舞い降りる

光と闇の翼を広げ至福へと導く


『贈り物』と共に……

















「“女神の贈り物”は舞い降りた…」





二ツのカタチ


二ツの命として






「女神は贈り物を二ツ授けた…

古の血、安らかなる願いは互いに交わりあう」








ラヴォスとジェノバ



差し詰め、アダムとイヴか…











深淵のなぞ それらは女神の贈り物

われらは求め

飛びたった

彷徨いつづける心の水面に

かすかなさざなみを立てて


三人の友は戦場へ

ひとりは捕虜となり

ひとりは飛び去り

残ったひとりは英雄となった




明日をのぞみて散る魂

誇りも潰れ

飛びたとうにも 翼は折れた


惜しみない祝福とともに

君は女神に愛された

世界を癒す 英雄として…







「LOVELESSは完成していない未完の物語…。

しかしこれは未来を導くことのできる悲しき詩」




だが女神の贈り物の片側がこの物語を変え始めているのは事実。


……女神は未来を望み始めているとでもいうのか?





「…それも、悪くない」










君よ、飛び立つのか?

われらを憎む世界へと



待ちうけるは ただ過酷な明日





逆巻く風のみだとしても……











LOVELESSの対として噂される存在



     “BELOVED”




まさかな…




幾度も暗唱し、反芻し続けた叙事詩




それに対になる幻の叙事詩




きっと、あると信じてみたい




悲しき運命を塗り替え




希望の光で満たしてくれるのなら














「アダムとイヴが星を導くのならば…天へ飛びたつ翼が折れることは恐らくないだろうな」





はらりはらりと舞い散る羽根

パリパリと剥がれ落ちる皮

白く浸蝕する身体

時間は刻一刻と迫っている








「蒼き小鳥よ…

どうか俺達を導いてくれ…」












復讐にとりつかれたる我が魂

苦悩の末にたどりつきたる願望は

我が身の再生と





…戦友の嘆き悲しむ心の救済のみ










end

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あきゅろす。
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