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22.azure










「ザックス、明日の夕飯は和食だ」

「お前……任務中に晩飯の電話してくるなよ;」




エアリスの花売り用の手押し車を作るために木材を探していると突然鳴った携帯。
しかも相手は英雄と名高いセフィロスから。
後ろから銃撃戦の音やら刀の交える音が聞こえるが、毎回ながら内容はバラバラで大半は日常的だったりする。



「今何処だ?」

「…極秘だ」



極秘―……

恐らく考えられるのはウータイ付近での殲滅作戦ってところだな。



…スバル…大丈夫かな…



「明日には帰る」

「あー…おう、わかった。代わりに地酒買ってこいよー!」



ピッと短い電子音が響く。
神羅でセフィロスにこんな口をきけるのはザックスくらいであろう。
13歳で神羅に連れて来られ早くからソルジャーとしての育成を受けた。通常14歳からが原則にも関わらず、それ以前から魔力が強いザックスは神羅の監視下で育てられたのだ。
そんな中、セフィロスやアンジール、ジェネシスは周りに居てくれた兄的存在。
唯一お互いに心を開ける存在。

携帯を仕舞うと最後の仕上げ。
車輪を取り付け水の入ったボトルケースを入れるとやっと完成!



「……なんか可愛くない」



どうやらエアリスは不満のよう。
でも、集めた材料だけで作ったのだから上出来な方だと思う。
統括からの命令でミッションに何度も駆り出されながらもその合間に少しずつ組み立てていった。
途中財布を盗まれたりハプニングもあったし…。



「うーそっ!ありがとうザックス」

「どういたしまして。
でもどーせ、まだまだ不満はあるんだろ?」

「えーと、…34コ?」

「紙に書けよ(笑)」



エアリスらしい言葉に噴き出し笑う。
その頭には桜色のリボンが揺れていた。
それは助けてくれたお礼にと買ってあげたモノ。
1stのザックスには神羅側から一般兵よりも多く給料は貰っているのでもっと高いものを買えた、しかしエアリスはこれでいいと決めたんだ、だから彼女の意思を尊重した。




「…はい!ちゃんと守ってよ?」

「おう(笑」



二人視線が合うと自然笑いが零れた。
するとそこへ暖かで柔らかい風が吹き抜けた…



「……スバル」

「…アイツの風だ」



吹き抜けた風の拭いた方向を見詰める。
そこにいるわけじゃ無いのに、微笑んでいるように思えた。

何度か会う中、お互いスバルに接触していることを薄々と感じていた。




「ザックス、今度は2人で来てね?」

「あぁ、3人で空を見に行こう。蒼が綺麗な最高の場所へさ」





気配を感じ入口へ視線を移すとレノが扉にもたれ掛かり親指で外を指差す。

大概こういう時は緊急ミッション。

それがわかったのかエアリスはザックスの背中を押した。




「いってらっしゃい、待ってる

ソルジャーだけど、ザックスは好きだよ」



脳無いに響いたあの時と同じ言葉。
重なる陰、重なる言葉…

鼻の奥にツンとした痛みがして、涙を堪えた。
ソルジャーは民衆の憧れであり、そして恐怖の対象だから。

ザックスは振り向かず手を挙げ、ただ行ってきますと言葉を残した。






























――――




ザックスへ


34コって言ったけど、
そんな書いてたらたくさん出て来て止まらなくなっちゃうから…大切なこと、一つだけザックスヘ伝えます。



“無事に帰って来て下さい”



そして、またその笑顔を見せてください…





いつか、3人で空が見たいです




END

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あきゅろす。
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