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01.Rumor








『なぁ知ってるか?
"トリカゴ"に"コトリ"がいるらしいぜ?』














神羅ビル49Fソルジャーフロア―…









ウータイ戦争もようやく終焉を迎え、つかの間の平和が世界に訪れた。
そんな頃、神羅ビルの中でとある噂が広まっていた。






「538…539…540ッ…何それ?」

「は?お前、今その話しで神羅中持ち切りだぜ?」






神羅カンパニーの戦闘兵の中でも力の秀でた者達、


"ソルジャー"


それは神羅の犬とも呼ばれているが、誰もがなりたいと憧れる対象であった。






「カンセルは物知りだなー!」

「いや、ただ単にザックスが周りを聞かなさ過ぎるんだと思うぜ;」





紫を帯びた一般兵とは異なる服に身を包んだクラス2ndの二人。
黒髪の青年はずっとスクワットをしながら興味が無いのか噂話を聞き流している。

デカイ会社だから…まぁ、デマも多い訳で。




「"コトリ"っつーのはな、この間の戦争の時に捕まえた子供の捕虜らしいんだよ。なんでも"奇跡の声"を持った子供らしい」

「だからコトリ…か…」





……皮肉なもんだ。

神羅は不思議な力や能力を持った者を檻に入れるか監視下に置き手に入れようとする。

きっとその子もその一人だろう。





「…560ッ、と!…カンセルはその子見たことあんのか?」






スクワットを止めその澄んだ魔晄に侵された青い瞳を向ける。
カンセルと呼ばれた同じクラス2ndの彼は手を横へ振り否定した。






「ないない。だからあくまで"ウワサ"なワケ」

「…ふーん」






社内では色んな噂がある。
口裂け女とか独りでに鳴り響きだすパソコンのキーボードとか。
だから一言では信じられないのが事実。
正直、彼も信じられずにいた。











……………ピリリリリッ











「あ、上からだ」






突然鳴り出した携帯。
黒髪の青年、ザックスは携帯を取り出し耳にあてた。

携帯が鳴るのは大概ミッションや会社の仕事であるため出るのに何の戸惑いも無い。

やはりそこから聞こえてきたのは新しいミッションの内容であった。






『ラザードだ。今回プレジデントが最重要機密会議で突如席をはずさなければならなくなった。よって1stが護衛に出てしまって会社内から優秀な1stが皆いなくなる。だから今回、2ndの中でも優秀な君に1stの代わりとして社長室付近の警備を頼みたい』

「ちょ、統括!警備って一般兵の仕事じゃないですかー!しかも社長いないのに1stを使ってるとか一体…」



『………君は"コトリ"の噂を知っているかね?』



「え?」






目の前にいるカンセルも携帯の受話器から聞こえる声に表情を強張らせる。
統括の声は嘘ではないと物語っていた。

どうやらさっき話していた話はただの"ウワサ"ではないらしい。






『ウータイ戦争で捕虜として捕まえたその人物は重要機密として"トリカゴ"に隔離している。彼は特殊な力を持っていてね…逃げ出さないために厳重な警備が必要なのだよ』

「…その"コトリ"ってモンスターかなんかですか?」

『いや、まだ幼さの残る少年だ』

「…そりゃ大層なことで」

『君なら大丈夫だろう?なにせ、ソルジャー・クラス1stのアンジールが率先しているクラス2ndだ。
…今すぐブリーフィングルームへ来てくれ、そこで上層階のカードを渡そう』







ピッ








「こりゃ大変なことになったな…」







静かに静まり返ったフロア内に簡素な電子音が静かに響いた――…


end

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