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ダイヤ・錻力の小説
actU降谷暁が逆行して桐湘に入学する話


【桐湘高校入学式当日】


「暁、今日入学式なんだから、そろそろ起きなさい」
 神奈川在住のおばに起こされ、降谷暁は飛び起きた。
 キョロキョロするとここは神奈川のおじの家で、いとこの部屋にいることがわかった。

 西東京の青道高校二年生、降谷暁は青道野球部のエースで青道の寮に住んでいるはずだったが、いつ外泊届けを出したんだっけと寝起きで働かない頭で必死に考える。
 降谷のおばは降谷がベッドから起き上がったのを見てエプロンを外した。

「朝ごはんを食べて早く制服に着替えなさい。いつまでも春休み気分じゃダメよ」
 ???
 部屋に見覚えのないブレザーの制服が吊るされているのを見た降谷は怪訝に思ったが、表情筋が仕事放棄しているせいで動揺は顔には一切出ていない。
 部屋の勉強机には青道高校野球部で書いている野球ノートがあるのに。
 状況が飲み込めない中、入学式の時間が迫っているとおばに急かされ、おばが用意してくれた朝食を横目にカレンダーをチラリと見ると四月×日に桐湘高校入学式とマジックで書いてある。
 自分は高二だから入学式なんて関係ないのに。
 いとこは就職して一人暮らしをしているからいとこの高校という訳でもない。
 それに日付も曜日もなんだかおかしい。
 首をひねりながらもおばが用意してくれた朝食を食べ始める。
 寮で丼三杯を義務付けられていたから食事のペースは知らず知らずのうちに結構速くなっていたが、御飯を噛んでいる間に名案を思いついた。

「センバツの結果が見たい。新聞ある?」
「新聞読むならもっと早く起きなさい」
 小言を言いながらも新聞を持って来てくれたおばに頭を下げてスポーツ欄を見た降谷は思わず新聞を二度見した。
 センバツに青道高校が出場していない。
 西東京からは、市大三高が出場していてベスト8になっている。
 しかも新聞の日付は昨年のもの。
 よくよく見ればカレンダーも昨年のものだ、今年じゃない。
(この世界は一年前・・・?)
 新聞もカレンダーも昨年のものであることをおばがなんとも思っていない様子なのは、そうとでも考えなければ辻褄が合わない。
 
 それに。
 青道の正捕手御幸一也のことが書いてある雑誌の記事を見る前、青道を受験しようと思う前は、おじの家の近所の桐湘に行きたいとかなり本気で考えていたし、両親やおじ達をなんと言って説得しようか悩んでいたことも事実だった。
 だから青道に入学せずに桐湘に入学する並行世界があっても不思議はない、と降谷は事態を案外冷静に受け入れた。
 来てしまったからには桐湘で甲子園を目指す以外の選択肢はない。
 迷う余地はないのだ、今から青道に入学することも転校することも実質不可能に等しい、一年棒に振る訳にはいかないから。
 
 いつの間にかスーツに着替えていたおばは入学式に着いてきてくれるらしい。
 降谷はおばに急かされ、戸惑いながらも覚悟を決めて新聞をたたむと見慣れないブレザーの制服に着替えた。

 おばについて歩くこと二分か三分で、神奈川県立桐湘高校と書いてある門をくぐる。
 桐湘は過去に甲子園出場したことがある古豪で、去年の夏は二年生バッテリーを擁して神奈川県の公立で唯一、ベスト8入りを果たした。

「僕、どうして桐湘を選んだとか言ったことあった?」
 受付が混んでいて列で待っている間に降谷がおばに尋ねるとおばは言った。
「速球派のエースとバッテリーを組んでるキャッチャーが二年生だから桐湘がいいんだって言ってたじゃない。神奈川屈指の豪速球投手の球を捕れるなら僕の球もきっと捕ってくれるだろうからって。・・・大丈夫?」
 おばに心配され、降谷は黙って頷いた。
 豪速球を捕れる捕手のいる高校が親戚の近所だから神奈川の桐湘に行きたいと説明したということか。
 まあ、雑誌で見ただけの天才捕手がいる高校へ進学したいなどという理由よりはよほど親を納得させやすかったことは想像がつく。

 受付を済ませ、おばは入学式会場の体育館へ、降谷は自分の教室へと別れて歩き出す。

「あの・・・・」
 後ろから声をかけられ、降谷が振り向くとリスザルみたいな顔の坊主頭の小柄な少年が立っていた。

「野球部に入るんだよね?江北シニア出身の栗原厘(くりはらりん)ていうんだけど僕も野球部に入るんだ。一緒に教室行かない・・・?」
 降谷は頷いて栗原という少年と一緒に教室へ向かう。
 降谷と同じクラスだった栗原は教室に着いてもいろいろと喋っていた。

 栗原はシニアではライトを守っていたこと。
 昨年関東大会で優勝した宮丸シニアの元四番、清作雄(きよさくゆう)も桐湘で入学受付しているのを見たこと。
 清作とはシニアの試合で対戦したことがあり、そのホームランに魅せられたこと。
 彼は腰を痛めたという噂だけれど大丈夫かなあなどなど。
 降谷は無口だが人の話を聞くのは嫌いではないので、頷きながら聞いて心の中にメモをしておく。

 入学式とHR終了後、栗原と二人で野球部に向かう途中、廊下で体格のいい男子と新品の制服を着た一年生らしき茶髪の男子がぶつかって茶髪の方が盛大に吹っ飛ばされるのを降谷は目撃した。
「一年清作雄。アンタも野球部だよな・・・?」
 茶髪の一年生は先ほど噂していた清作雄だった。
 清作が立ち上がって挑むように自分よりも縦横ともに大きな上級生を睨み上げると相手は清作に頭突きをブチかました。
「野球部の二年弐織敏(にしきさとし)だ。ヤワな一年のくせに頭が高えぞ」
「俺は自分の居場所勝ち取るためなら先輩相手でも退く気は無いッス」
 堂々と宣言した清作に再び頭突きするかに見えた弐織は、思い直したのか清作の鼻をつまみ、
「じゃあその高い鼻グラウンドで潰されるなら文句はねえな」
 と言って悠々と去っていった。

「今の人、弐織先輩でしょ。やっぱり大きいよね」
 栗原に同意を求められたが、何がどうやっぱりなのか分からない。
「・・・有名?」
「知らないの?」
 頷いた降谷を栗原は怪訝そうな顔で見たが、バッテリーしか眼中になかった降谷は野手には全然興味がなく、そこまでチェックしていなかった。
「去年の夏の県予選ーー元々のチームの守備の堅さに加えて一振りで試合の流れを変える四番の弐織先輩の爆発力が合わさって公立校で唯一ベスト8まで勝ち上がったんだよ」
 一年生で四番を打っていたのか。
 降谷は弐織の名前を心に刻んだ。

 早速着替えて並ぶ一年生の前に立った体格のいい坊主頭の男は三年生で副主将の宇城丈吾(うしろじょうご)という。
「去年の夏の予選の後、三年が抜けてからは戦力が落ちて秋の大会では成績を残せなかった分、今年の夏に全てをぶつけるためトレーニングを重ねてきた。目指すなんて言葉に甘えずに目標のためにひたすら勝ち続けるだけだ」
 宇城の挨拶は日本一の投手を目指す降谷の心にスッと浸透した。
 自分が日本一の投手になればチームも日本一になれると思っている降谷にとって目標のためにひたすら勝ち続けるという宇城の言葉は分かりやすく思えた。

 次に新入部員15人が自己紹介したが、声も小さくマウンド以外では目立たない降谷が注目を集めることはなかった。

 二年生投手の喜多幹生(きたみきお)が軽く自己紹介してから神奈川の夏の予選の出場校数を説明する。
「参加は190校で甲子園に行けるのは優勝した一校、つまり夏の暑い時に最大七試合勝たなきゃいけない」
 降谷は眼鏡をかけた喜多の穏やかそうな整った顔立ちを見つめながらショックを受けていた。
 西東京も120校と激戦区だったが、神奈川は更に厳しい。
「レギュラーを掴むためにも試合を戦い抜くためにも体力づくりが必要だ、しんどくてもついてこいよ」
「ハイ!!」
(スタミナロール・・・・)
 降谷も含めた14人が返事する中、一人だけうつむいて口を閉じていた清作に目ざとく気づいた弐織が、声をかける。
「返事はどうした。何か不満か」
「体力つけるなんて投手だけでいいんじゃないスか・・・?俺は打撃の練習したいス、四番希望なんで」
(!)
 周囲の空気が凍りついた。
 そんな中、降谷もマイペースに口を開く。
「僕は投げたいです。僕がこのチームのエースになって甲子園へ導く・・・!」
 桐湘のエースは降谷と同じ速球派。
 三年生で主将の之路拓人(ゆきじたくと)という。
 昨年夏から桐湘のエースナンバーを背負っていた神奈川屈指の豪速球投手だが、速球の威力なら降谷も負ける気はない。

「いいぜ。今日の練習中、何か一つでも俺に勝ったらテメーらの好きにさせてやる」
 止めようとする喜多を抑えて宣言した弐織の筋力と体力は化け物級だった。
 甲子園に出場した青道のエース降谷でさえついていくのがやっとの過酷な練習に一年生がバテている中、弐織だけは息を乱してもいない。
「やれやれだな、これじゃ先が思いやられるぜ。お前ら高校野球ナメてんのか。それとも桐湘が公立だからってもっとラクだと思ってたか?」
 降谷は高校野球をナメていたつもりはないが、内心桐湘を青道より格下だと思っていたことは否定出来ない。
 センバツベスト8の青道と県ベスト8の桐湘ではそれなりの実力差があると思っていたのだ。
 公立の桐湘は実際問題設備面では青道より劣る。
 しかしキツい基礎トレで鍛え上げた体力面では青道とじゅうぶん対等に戦えそうだ。
 しかも昨年夏の県ベスト8の原動力となった四番打者に、昨年の関東大会で優勝したシニアの四番にセンバツベスト8の投手である自分が加わるーー
 ただの公立と思ったら大間違いだ。

「夏のクソ暑い中戦い抜くためには体力は絶対に必要なんだ。投手に連投させんなとか練習量多いのははやんねーとかうるせえヤツもいるけどよ。こっちは好きでやってんだ、体に悪い食物が美味いのと一緒だ。自分の夢のためにイカレられるなんて最高だろうが?ゴチャゴチャ言うヤツは体力と根性でねじ伏せる、それが桐湘の野球だ」
 弐織の熱弁に降谷は共感した。
 難しいことをゴチャゴチャ考えずに力でねじ伏せるのは降谷の得意技だ。
(桐湘の野球は僕に合っているかも)
  
「つーかいつまでヘバってんだ、これじゃこっちがナマっちまう。喜多、俺少し打ってくるからな」
「!ヘバってません」
 荒い息をしながら立ち上がった降谷を見つめて弐織は言った。

「ヘバってるくせに偉そうに言うな。お前の体力は之路主将の足元にも及ばねえ、お前ごときが之路主将さしおいてエースになんかなれるもんかよ。之路主将の球は体力さえ満タンならそうそう打てる球じゃねえ」
 弐織によるとーー、
 去年、当時二年生エースだった之路先輩が四試合完投で体力を消耗していた五試合目、藤倉高校に打ち込まれて途中降板し、チームはベスト8に終わった。
 その試合で改めて体力の重要性を思い知らされ、負けはしたがチーム全体の意識が変わった。

(四試合完投?) 
 継投で勝ち進んで来た青道の降谷にとって昨年の之路が経験した四試合完投など完全に未知の世界だ。
 降谷が今まで完投したのはセンバツの巨摩大藤巻戦くらい、それも九回裏の攻撃はなかったので実際には八回までしか投げていない。
(主将、どんなトレーニングをしているんだろう)
 之路はひたすら一人で走っているそうで、一年生とは別のメニューなので話を聞くどころかまだ顔すら合わせていない現状が歯がゆくてたまらないが、同じチームに越えるべき目標がいるという初めての状況にわくわくしてきたのも事実だった。
(僕はまだまだ強くなれる)

「一人がヘバればそこを狙われる。チームのためにも体力つけろ」
 と言い置いてバッティング練習に参加した弐織は軽々と場外ホームランを打ち、降谷はその軌跡を見つめながらこのバッターを自分ならどうやって打ち取るか考えていた。

 帰宅した降谷が机を見ると、青道野球部で書いていた野球ノートは変わらずにそこにあった。
 しかし、部屋中探してみたが、青道の先輩にもらったはずのグラブはどこにもない。
(ノートはあるのに)
 
 腑に落ちない点はあるが、記入済みの最後のページをじっと見つめた後、降谷はノートを閉じて机の引き出しにしまうと新品のノートを開き、読みやすい字で書いていく。
 
桐湘での目標 全国制覇
個人の目標 日本一の投手になる
当面の課題 スタミナとコントロール 

 降谷暁が桐湘高校に入学して最初の夜はこうして更けていった。


【試練の紅白戦】

 過酷な練習についていけない新入部員は一人また一人とやめていき、15人いた新入部員は三日で10人に減った。
 そんななか行われた二・三年生対一年生の紅白戦で先発投手の炎上の後を受けて登板の機会を与えられた降谷は、桐湘打線の強烈な洗礼を浴びていた。
 一番センター児島壮太(こじまそうた)は、昨年夏の大会でも七番か八番を打っていた二年生。今はヘルメットで隠れているが髪を逆立てていて、いかにもチャラそうに見える。
 守備範囲が広く足も速い児島のボテボテの内野ゴロが内野安打になると、ランナーを背負い、セットポジションで投球することになった降谷はつい力が入ってしまった。
 そのせいか、もともと立ち上がりがよくないことに加えて変化球がストライクゾーンに全然入らない。
 二番打者でスイッチヒッター、二年生の柊にストレートの四球を与え、ランナー一、二塁で打席には三番レフト、三年生の頭木が入る。
「頭木センパイ打ってくださいよー、そのギョロ目はボールを見るためにあるんスから〜」
 二塁ランナーの児島が明るく言う。
「脳筋のヒットでホームに還りたくないからプリーズ!」
 一塁ランナーの柊が言う。
 柊は銀髪で左右非対称の肩より長い髪という一見野球部とは思えないような髪型をしている。
 清作に話しかけているのを目撃した時はたしか、
「僕が英語のレッスンしてる間に脳筋・弐織にケンカ売ったんだって?それだけでマイフェイバリットだよ。髪はロングだけどショート、ナイストゥミーチュー」
 とかびっくりするほど下手くそな英語まじりの変な日本語を話していた。
 柊は弐織のことが嫌いらしい。
「承知した」
 頭木が応え、
「柊、ゴラア!!」
 ネクストバッターズサークルから弐織が吠えている。
(うるさい・・・)
 青道とは全然雰囲気が違う。
 沢村のようなムードメーカーが何人もいるチームとでもいえばいいのか。
(騒がしい、でもこの空気は嫌じゃない。うるさいけど)
 にぎやかな二・三年生チームに対し、五点を
追う一年生チームは全然声が出ていない。
 降谷はキャッチャーのサインを見た。
 ストライクが入らない降谷にやけくそになったのかド真ん中の真っ直ぐを要求されたが高めに浮いて結局連続で四球を出し、四番の弐織を打席に迎える。
 縦スラもスプリットも指がかかりすぎてボールにしかならず、ストライクがかろうじて入るのはストレートのみ。
 その上、ストレートもスピードはあるがキレがないときていては神奈川屈指の四番打者を抑えることは難しい。
 先発投手が一発を浴びている弐織にド真ん中は怖いのかキャッチャーは外角低めに構えたが、そもそも構えたところに球がいくならこんなに苦労していない。
 外角高めに浮いた球を軽々とスタンドに運ばれ、満塁ホームランになった。

(頭の切り替え・・・・)
 まだノーアウト。
 次は五番キャッチャー宇城だ。
 しかし配球を読んで振ってくるタイプの宇城は普段から降谷と同じくらいの速さの之路の速球を捕っているだけあって目がいい。
 粘って四球を選んだ宇城は、ワイルドピッチで二塁に進塁、内野ゴロエラーで三塁に進むと送球が乱れる間に好走塁でホームインした。見た目に反して足が速い。
 下位打線をストレート中心の組み立てで辛うじて抑えた降谷は乱暴に汗をぬぐった。
 一イニング五失点。
 まともに打たれたのは四番の弐織だけだが、ストライクが入らず、四球を出してランナーをためての被弾はあまりにも印象が悪い。

「ド真ん中の球に腰ひいてんじゃねえ、打つ気ねえなら失せろ」
 マウンドで之路主将が吠えている。

 試合前は、
「ケガには気をつけて水分もちゃんととるように。一年諸君は自分の長所を出してノビノビやってくれよ」
 とか優しい言葉をかけていた之路は、実はマウンドに上がると性格がキツくなる二重人格だった。
 マウンドとそれ以外では見た目も雰囲気もガラッと変わっている。
 優しい時の之路は微笑を浮かべていて温厚そうに見えたが、主将のくせに後輩をディスりまくっている今の之路は目付きが険しく、まるで別人だ。もとの顔はハンサムなのに殺人犯みたいに凶悪な顔つきになっている。

 三回表、降谷は九番打者としてバッターボックスに立った。
(取られた点は自分のバットで取り返す)
 ストレートを流し打ちでライト前ヒットを放ったが後が続かず結局これが一年生チーム唯一のヒットとなる。
 四番になりたいと言っていた清作も、第一打席こそ惜しいファールを打ったが、最終的にサードゴロと三振に打ち取られ、清作にライバルを燃やして何かと張り合っていた伊奈も結果を出せなかった。
 
 降谷は春大の背番号が発表された時、20を渡されたが、それは打撃力を買われてのもので、投手としての出番は訪れなかった。
 降谷にとっての高一の戦いは実質的に桐湘の春季大会がベスト8に終わってから始まるーー。


【桐湘高校野球部一覧表】
(名前が出た人のみ。だんだん増える予定)

背番号1
之路拓人(ゆきじたくと)主将
神奈川屈指の豪速球投手でエース。三年生。
昨年夏の大会でもエースナンバーを背負い、四連続完投したが、五試合目でベスト4の藤倉高校に打たれ、途中降板した。
普段は温厚だがマウンドに上がると性格が豹変する。

背番号2
宇城丈吾(うしろじょうご)副主将
昨年夏の大会でも之路とバッテリーを組んでいた。三年生。
体格はガッチリしている。口数が少ない。
配球を読んで振ってくるタイプ。
意外と足が速い。

背番号5
弐織敏(にしきさとし)二年生
昨年夏の大会も四番を打っていた。昨年の県ベスト8入りの原動力となった男。パワーヒッター。

背番号6
柊瞠(ひいらぎみはる)二年生
銀髪で長髪。遊撃手。
本人いわく「髪はロングだけどショート」
下手くそな英語を使う。

背番号7
頭木武志(かしらぎたけし)三年生
通称ギョロ目先輩。左翼手。
時代劇のような言葉遣い。

背番号8
児島壮太(こじまそうた)二年生
俊足で守備範囲の広い中堅手。
見た目も性格もチャラい。
余計なことを言ってよく之路に怒られている。

背番号10
喜多幹生(きたみきお)二年生
控え投手。一塁手も出来る。
イケメンの眼鏡男子。温厚な性格。
説明が丁寧。

一年生
降谷暁(ふるやさとる)
西東京の強豪、青道高校のエースだったが、二年生の春の大会から逆行して桐湘に入学。
神奈川に住むおじの家に下宿している。

栗原厘(くりはらりん)
降谷の桐湘での友達第一号。
江北シニア出身の外野手。
小柄でリスザルを連想させる顔立ち。

清作雄(きよさくゆう)
関東大会で優勝した宮丸シニアの元四番。
甲子園常連の港南学院を希望していたが腰を痛めて推薦がなくなったため桐湘に入学。
思ったことを直球で言ってしまう性格。

伊奈和麻(いなかずま)
清作に対抗心を燃やしている。
紅白戦では一番サードだった。


 高二春季大会のコントロールの悪い降谷くんは、之路主将の下位互換になってしまうので絶対的エースがいるチームで自分の居場所をつかむのは大変そう。
 でも桐湘だったら連投がきく之路くんからスタミナとキャプテンシーについて学べそうだし楽しそう。





【おまけ 清作雄in青道】

 夏の神奈川県予選の二回戦麻生西戦では反撃の狼煙を上げるヒット、四回戦の聖陽戦で満塁ホームラン、準決勝蔡理戦で勝ち越しツーラン、決勝港南学院戦では追い上げのタイムリーといいところで打ちまくっている清作くんが青道にいたら、という妄想ネタ。
 シニアの関東大会で優勝したチームの四番なので礼ちゃんがスカウトしてもおかしくはないし、腰を故障したために神奈川の強豪からの推薦がなくなったのでスカウトさえ来れば青道に喜んで来てくれそう。

 春もホームランを二本放ち、夏は三回戦と五回戦の描写がカットされてるので打率は不明ながら、ホームラン最低二本以上、打点七点以上は立派。
 それも神奈川屈指の投手から貴重なチャンスで喉から手が出るほど追加点が欲しい時に必ず打つのがいつものパターンなんですよね。
 ポジションはセンターとファーストを守った描写しかないので青道では一年夏のレギュラーは難しいだろうけど秋は東条くんか前園くんの代わりに入ることになります。
 前園くんの代わりに入って打ちまくってくれたら打線に関しては申し分ないチームに仕上がるんじゃないでしょうか。
 原作より点が楽に取れるのでストレスはたまらない半面、投手が楽に投げられる試合になるため中継ぎ投手が主人公の漫画としてはいまいちな話になっちゃうかも。

 でもセンバツの巨摩大藤巻戦、本郷正宗と対戦して
(今の俺にあるのはスイングのスピード。それをもっと上げるんだ、練習の成果を出しても打てないなら今この瞬間に今までの自分を超えろ。理想すら超えていけ!!)
 とか
(本郷正宗、テメーは負けたことがないんだろ。俺はある。夏の大会で稲実に負けた。くやしくてもどかしくて一人じゃどうにもできない時にアドバイスくれる人がいて刺激になるヤツがいて何より青道の皆がいてその度に俺は前の俺のままじゃいられなくなる。カラをブチ破られるみたいに視界が広がる、真新しい血が体中に流れるみたいにゾクゾクするんだ)
(負けたから変われた。成長出来てるんだとしたらきっとそのおかげだ。今までの負けを無駄にしない。だからコイツに負けるわけにはいかないんだ!!)
 とか考えながらホームランを打つ清作くんは最高にカッコいいと思います。

 打順は三番か五番がいいですね。
 錻力原作通り清作くんが三番にいる打線も、御幸センパイの後に清作くんが控えている打線も相手チームにとっては嫌すぎるだろうと思います。
                                             
 錻力のアーチスト最終巻が発売されましたが、まだまだ錻力世界に浸っていたい今日この頃です。

 ここまでお読み下さりありがとうございました。

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