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バスケ漫画小説(年齢制限なし)
逆行したら女になってたがだいたい変わってない件

 女の子っぽい名前の人達(黒バスから黛千尋、花宮真、劉偉、松本樹、桜井良+スラムダンクから流川楓)が逆行女体化してバスケする話。
 逆行女体化キャラ(記憶あり)+記憶なし桃井さつきちゃんが霧崎第一に入学。
 黛さんの年齢がなぜか花宮くん達二年生組と同い年になっている年齢操作あり、集団催眠をかける能力も装備のチートスペック持ち。
 赤司くんにチームとして注目されてるけど、この世界では赤→黒なので赤黛や赤花ではないみたい。
 原作程度の桜桃要素を含みます。
 古橋くんが黛さんの兄弟です。
 女体化キャラが恋愛したりモテまくる類いのラブコメはそういうの得意な方にお任せします。
 女体化という嗜好が腐向けだと思うので念のため腐向けにするけど、桜桃以外の恋愛要素はないです。
 こんなのでいい方はどうぞお進みください。

 

 強くてニューゲームのお約束、逆行。
 とっくに高校なんか卒業したはずのオレが着た覚えのない制服を着て入学式を迎えているのだから、逆行だろう。
 しかし……オレはチッと舌打ちした。
 なんでスカートはいてんだ、オレ女装趣味なんかねえぞ。
 存在感が薄いのをいいことにそれとなく自分の胸を触ってみると、胸筋というのには無理がありそうなちっぱいが確認出来た。
 社会的性別も肉体的性別も女ってことか。
 壇上で新入生代表挨拶をしている黒髪の美少女は花宮真というらしい。
 花宮真って無冠の五将のあの花宮真だよな。
 元から女顔の奴だったから顔は変わってないが、スカート穿いてるってことはあいつも女なのか……。
 つーか、オレも新入生の席にいるってことは花宮と同じ学年になってんだよな。
 すげぇ面倒くさいけど話しかけなきゃダメかな。
 逆行して女に変わったという共通点があるからには思い当たるふしとかきかない訳にいかねえし。
 クラス名簿によると花宮とオレは同じクラスだ。
 間に知らない女と見覚えのある男を挟んでその前が花宮だ。
「お前花宮真、だよな」
 横に立って話しかけると花宮はキョロキョロして後ろの席の男の顔を見て特徴的な眉をひそめ、小声で文句を言った。
「康次郎か?なんだよ。人をフルネームで呼び捨てすんな」
 花宮は自分はチームメイトを呼び捨てのくせに自分は下の名前を呼ばれるのが好きじゃないそうだ。
 一周目の実渕によると女みたいな名前にコンプレックスがあるせいじゃないかってことらしいが、それを女みたいな名前のオレに聞かせて何をしたかったのか意味が分からん。
 ともあれ花宮がいきなり呼び捨てで猫かぶりなしで接しているということは、花宮には古橋康次郎の記憶があると考えていい。
 品行方正な秀才の演技をしてる花宮ならチームメイトとして接した記憶がなければ多分古橋くんとか呼ぶはずだろうし。
「すまないが、濡れ衣だ。オレはそんなことしてない」
「あ?」
 花宮は抗弁されてイラついた様子をみせた。
「お前じゃなかったら誰がいんだよ」 
「犯人はこいつだ。……?千尋、そういえばなんでお前が霧崎に……」
 康次郎はオレの姿に混乱しているらしい。
 洛山にいるはずのオレが霧崎にいたらそりゃ驚くよな。
「千尋って誰……え?洛山の五番がなんでここに」
 花宮には少なくとも去年のWCの記憶があることが確定した。
 オレ、IHの時は一軍に上がりたてでスターティングメンバーじゃなかったから控えとして2ケタ番号だったし五番じゃなかったからな。
「放課後情報交換しよう。込み入ったことは教室では話せないだろ」
 前世とか一周目とか話してるのが周りに聞こえたら間違いなくヤバい奴と認定されてしまう。
 花宮もその可能性に気づいたらしい。
「じゃあ昼飯食ったらオレんちに来いよ。いいな」
 花宮は初対面のオレの前だというのに猫かぶりの気配ゼロだった。実渕の話では知らない人の前ではなかなか本性を見せない奴らしいのに。
「どこで待ち合わせる?オレは君の家を知らないんだが」
「あ?何言ってんだお前、うちに何回も来ただろ?」
「別の人と勘違いしてないか。オレは君とは初対面のはずだし、家も知らない」
「おい……。洛山五番のことは覚えててなんでオレのことは忘れてんだよ」
「五番?すまないが、意味が分からない。なんの数字だ。千尋はオレの兄だよ。なんで女装してるのかは知らないが」
「女装じゃなくてオレ、女なんだが」
「それはない。オレは次男だから康次郎と名付けられたと聞いてる。千尋が女だったらオレは長男になるから違う名前になってたはずだ」
「待てよ。康次郎、その人間関係は絶対おかしい。お前たしか蟹座だろ。そこの幻の六人目は三月生まれって聞いたぞ。三〜四か月しか離れてない兄弟がいるかよ」
 なんでチームメイトの星座を把握してるんだ。
 監督だったからか?
 あとオレの誕生日知ってるのも怖い。
「母が違うからな。千尋の母親の妊娠中に父が浮気して出来た子どもがオレだ」
 オレの異母弟は淡々と論破した。
「そんな過去があったのか、だからお前、そんな死んだ魚みたいな目をしてるのか」
 花宮はゲスにしては珍しく心を痛めたのか気の毒そうに失礼なことを言った。
「いや、目はただの遺伝だ」
 オレと康次郎がどっちも光のない目なんだから遺伝だって分かりそうなもんだが。
「オレはそれよりなんでお前がオレの誕生日を知ってたのかが気になる」
「実渕や葉山が愚痴ってたんだよ、卒業式の日が誕生日だったからおめでとうとか言ってやろうとしたのに影が薄すぎて見つけられなかったって。つーか康次郎、洛山五番の影の薄さに慣れてるならなんで誠凛のイイコちゃんが見えねえんだよ使えねえな」
「オレは旧型ほど薄くないからじゃねえの。それに康次郎に最後に会ったのはミスディレクションを教わる前だし。素のオレはそこまで薄くない」
「すまないが、オレに分かる日本語を話してくれないか。洛山五番とか誠凛とかミスディレクションとかなんのことだかサッパリ意味が分からないんだが」
 康次郎には兄弟であるオレの記憶はあるが花宮の記憶はないらしい。
 康次郎が花宮に勧誘されてバスケ部に入ったのは高二の初めだと聞いたから、こいつは花宮と接点がなかった頃の記憶しか持たずに逆行したのかもな。
「チッ、じゃあいったん家に帰って着替えたら待ち合わせ……いややっぱダメだ、女の私服なんて何着たらいいか分かんねえし、二人とも学校から直接オレんちへ来い」
 女の私服をどうしたらいいか困惑しているのはオレも同じだ。
 中学のジャージでも着るしかねえかなぁ。
「ずいぶん強引なお誘いだな。千尋はこんな格好してるが本当は男だぞ。女子の家に男二人で押しかけるのはまずいんじゃないのか」
「……康次郎、オレ逆行したら女体化したみたいだから本当は男だとか大声で言わないでくれ、恥ずかしい……」
「はあ?おい、ラノベの読みすぎで現実とラノベの区別がつかなくなったのか?」
 康次郎は無表情な能面顔なりに精一杯侮蔑の表情を浮かべていた。
 女子用の制服を着ているのに女装と判断され女体化した事実に全く気づかれないってどういうことだよ。
 まあたしかに身長でかくて胸は小さいが。
「ラノベなら花宮だけでなくお前も美少女になってオレはハーレム満喫してなきゃおかしいだろうが。この全然夢がないところはどう考えてもラノベじゃなくて現実だ。花宮なんかラノベヒロインも真っ青のハイスペックなのにもったいねえ」
「……美少女でなくていいなら、女体化した男はここにもいるぞ」
 康次郎は自分の後ろの席を指差した。
 クラス名簿によるとそいつの名前は松本樹。
「あ!テメエマツじゃねえか!なんでさっきから他人のふりしてやがんだよ」
 花宮はド怒りだ。
 康次郎が覚えているということは花宮より先に知り合っていた奴なのか?
「こんな姿、人に見られたくねえからに決まってるだろ」
 松本って奴はものすごく嫌そうな顔で言った。
 こいつは元男と言われて納得の男顔だから女体化しても女装した男みたいでかわいそうではある。
 花宮みたいに違和感が仕事しない女体化もそれはそれで本人はつらいだろうけど。

「……なんかその、すまない」
 康次郎は能面のような表情のまま謝罪した。
「謝るなよ、よけい惨めになるだろ」 
「マツもオレんちに来いよ」
 その後の花宮の自己紹介ときたらまるでハルヒみたいだった。
「花宮真です、中学ではバスケ部でPGでした。逆行と女体化、この二つの言葉に心当たりがあるバスケ経験者はチームメイトになりに来い」
 花宮は学年代表スピーチでは私とか言ってネコをかぶってたけどもううっかり素を出していた。
 こいつネコかぶりのくせに演技下手クソかよ……。

 花宮宅に集合したバスケ経験者は五人。
 花宮、オレ、康次郎、松本樹、劉偉だ。
「ワタシは秋田の陽泉高校でSFだった劉偉アル。ワタシもチームメイトにしてほしいアル」
 こう言って話しかけてきたイージスの盾の一角はやっぱりでかかった。
「日本の女子で二メートルって聞いたことねえな、もっとデカい奴がいた陽泉ならともかくこの身長ならセンター一択だ。とりあえずお前はセンターにコンバートしろ。オレがPG、劉がC、康次郎がSFは確定として、洛山五番とマツがPFとSGで最低限の人数はいるな。オレが前回と同じで監督兼主将やるから副主将は……」
「ちょっと待ってくれ。君達みんな女子だろう?オレは男だから女子と一緒に試合に出ることは出来ない」
 康次郎は花宮にギロリと睨まれて言葉を飲み込んだ。
「……みんな顔が変わんねえから忘れてたわ。なんでテメエだけ男のままなんだ、この裏切り者……クソが」
 花宮は美少女のクセにものすごい悪人面で毒づいた。
「千尋はオレの兄だったし、松本は同じ中学だったから男だったのは知ってるが君と劉さんも元は男なのか?」
 康次郎と松本は同じ中学だったのか。
「そうだよ。劉は全国でもそこそこ強豪の陽泉の留学生でイージスの盾の一角。オレは元の世界では男で、霧崎第一高校男子バスケ部の主将兼監督やってた。……オレを女だと思ってるお前にとって花宮真はどういう奴なんだ?イメージと違うみたいな顔してるからには何かしら知ってんだろ」
「女子バスケには数年前、百年に一人の逸材が出たばかりだが、月バスで見た特集記事には花宮のことが無敵の女神とか書かれてたぞ。誌面では品のいいお嬢さんにしか見えなかったから中身がこんなんだとは夢にも思わなかったな」
 ブフッ。
 オレと松本が噴いた。
 無冠の五将の悪童が品のいいお嬢さんで無敵の女神とかパワーワードすぎて笑うしかない。
 百年に一人の逸材は日本人女子選手で初めてダンクに成功したあの人のことだろうが、無冠の花宮が女になって優秀な頭脳でスティール連発とかしたらそりゃ女子では無敵だよなあ。
「オレらが女になった理由は分かんねーけど霧崎は元々男子校だし、女子はオレら四人しかいないみたいだぞ。ほら」
 松本が検索した霧崎第一のHPには学年別の生徒数が書かれており1年女子は4名と書いてある。
「マジか。それじゃ試合に出ることすらできねえのか」
 花宮が呻くように言った。
 悪童とか言われてるけどなんだかんだ言ってこいつもバスケ馬鹿なのか。
 オレは助け船を出してやることにした。
「たしか卓球は試合成立人数は原則六人だけど学校の男女別在籍者数が五人以下の場合、五人とか四人のチームも認めてるんだよな。その例にならえば、四人ならルール改正すればいけそうな気がするな。
この面子で女子相手なら四人でも勝てるだろ」
「ルール改正っておおごとだろ。そもそもそんなに簡単に出来るのか?」
 この疑問はもっともだ。
「会議が公開生中継とかだと無理だが密室なら催眠術で洗脳すればいけるな。あらかじめエビデンスを用意しておいて本来の議題とすり替えるために事前準備は必須だけどな」
「ずいぶん大掛かりだが、面白そうだな。そこまでやるなら女子優勝チームは男子の大会の出場権獲得可能とかしたらどうだ?来年は有望株を加えてオレの考えた最強のチームを作って男子バスケで優勝する」
「オレの考えた最強のチームって厨二すぎるだろ、面白いけど。ハッキングと洗脳はオレがやるけど、広報資料はお前が作れよ」
「オレは監督兼主将としてやることがあるから無理だ。康次郎、お前たしか現国が得意だろ。下書きはお前が作れ」
「作文ならまだしも、エビデンスなんて書いたことないんだが。何か元ネタ……資料はあるのか」
 高校生で書いたことある奴はあんまいないだろうな、赤司ならともかく。
「資料ならハッキングしようとしてるそいつに盗ませればいいだろ。劉とマツには部の会計と連絡係をまかせる。いずれにしても五人いれば同好会の規定人数には足りるから学校側と部長会に根回しして早いとこ立ち上げ準備に入ろう。オレらが女子一期生ってことなら人数がギリギリでも学校側には承認される可能性が高いが」
「何か不安要素でもあるのか」
 松本が恐る恐る聞くと花宮はどんよりした雰囲気をまとって答えた。
「新しい部や同好会発足には学校側の事前審査を経て各部の部長達で構成される部長会の審議があってそこで賛成過半数に達しないと最終的に承認されない仕組みだ。オレが部長になった後、天体観測やりたい奴らが同好会の承認申請してきた時は望遠鏡とか金かかるから部長会のみんなが反対して提案をぶっ潰したなんてことも実際あった。新規の団体が発足するのは結構ハードル高いが、同好会として認められないと体育会系の持ってる設備が使えねえ。私立だから筋トレの設備は充実してるし出来れば使いたいんだよな」
「「……格闘なら多少心得があるからオレがそれとなく脅しておこうか?」」
 松本と康次郎の声がかぶっていた。
 松本の腕は知らないが、康次郎はバスケはブランクがあるのにラフプレー要員として花宮に勧誘されただけあって格闘は普通に上手い。
「マツは今は女なんだからやめとけ。康次郎は……オレのボディーガードになれ。オレを女だと思って変な気起こすバカがいたら正当防衛で再起不能にしろ」
「女だと思ってって、一応君は女なんだろう?」
 一応とか言われて花宮の顔が引きつった。
「お前なら変な気起こさないだろうと信用して頼んでんだよこっちは。男だった時ですらかわいいとか言われてケツ掘られそうになったことあるからな。世の中性犯罪者予備軍が多いから注意するに越したことはねえよ」
 松本がものすごくかわいそうなものを見るような同情のまなざしをむけている。 
 この様子だとマジなんだろう。
「かわいそうに、お前が悪童って呼ばれるほど性格が歪んだのは変態の餌食になったせいか」
「餌食にはなってねえよ!でもま、危ない目には何度も遭った。性犯罪者は一人残らず死ねばいいと思う」
 悪童とは思えないほど正義感に溢れる返事が返ってきてオレは驚いた。
 そう言えば花宮ってバスケではラフプレーする悪い奴という風評はあるが、コートの外では暴れないからジャバウォックとかと比べれば全然いい奴だよな。
 








 それから一年後。
 京都・洛山高校バスケ部の主将となった一年生、赤司征十郎はスカウティング中にブルッと震えていた。
「赤司、どうした?風邪か?」
「風邪ではないと思うよ。ただちょっと寒気がしたような気がしてね」
「あれ?赤司、これ女子チームだよ?間違ってない?」
「間違ってないよ」
「あら、小太郎知らないの?このユニフォームって、無敵の女神を擁する霧崎第一バスケ愛好会じゃない。創設わずか数カ月で高校女子の部全国制覇したって話よ」
「無敵の女神?なんだそりゃ。赤司より厨二病の奴が女バスにいるのか」
「でも赤司、女バスの試合をなんで見てんの?その無敵の女神(笑)がかわいいの?」
「美人だけど僕は顔にはあまり興味ないかな」
「分かる〜。やっぱり胸と太ももだよね!」
「アンタ最低ね!征ちゃんはそんな人じゃないわよアンタじゃあるまいし。普通にスカウティングでしょ。ねえ征ちゃん?」
「……そうだね。この中ではこの子が一番かわいいと思うけど」
 赤司の呟きは実渕の発言に対する反響でかき消され、誰にも聞こえなかった。
「はあ?スカウティングしてどうすんだ、女子なんだろ」
「それがルール改正で、女子で優勝したチームに限り、男子の大会にもエントリー可能になったのよ。一年生たった四人で優勝しちゃったくらいハイレベルなチームだから二年生になって部員も増えたら、男子バスケでも旋風を起こすんじゃないかって注目されてるのよ。知らない方がおかしいわ」
「一年生四人ってなにそれ、それそもそも出場出来ないよね?」
「それもルール改正されたから。霧崎第一は男子校から共学になったばかりで女子の新入生が四人しかいなかったけどどうしてもバスケをしたくて偉い人に男女別の生徒在籍人数が五人未満の場合は出場を認めてほしいと手紙で訴えてルール改正されたらしいわね」
「えっ、これ五人映ってるよ」
「えっ、四人だろ?いち、に、さん、し」
「永ちゃん、そいつ男マネだと思うよ」
「あ、この髪が黒いのは男か。じゃあ四人目はどれだ?」
「なんか薄くておとなしそうな子がいたような……。バスケ愛好会に入れって脅かされたんじゃないの?あの子だけシュート本数が少ないし下手なのかも」
「下手ではないね。スクリーンも目立たないがキッチリやって味方を助けているし、ドリブルとパスも堅実だ。2メートルの“女型の巨人”と“無敵の女神”が突出して目立っているが、他の二人も男子の全国区にいてもおかしくない選手だよ」
 赤司の下手ではない=なかなかいいという意味なのを知っている無冠の五将の三人は顔を見合わせた。
「そこまで言うか?」
「思ったんだけど、あの娘、征ちゃんが好きな幻の六人目とちょっと似てるから惚れた欲目じゃないかしら。影薄いし、なんか似てるわよね」
「まさか。女子だぞ?僕は女子は全員サルかゴリラに見えるのに……」
「でもあの娘はそうじゃないんでしょ。見ていれば分かるわ」
「いや、百歩譲って男みたいだから女子に見えないという可能性も……」
「まああの霧崎ってあんまりかわいい娘いないからしょうがないね。無敵の女神は平安時代のお姫様みたいな眉毛してるし、他の三人はイケメンすぎて男みたいだしね。むしろ男子チームにPGの女子が混ざっているみたいに見える」
「アンタ言いたい放題言うわね?!」
「だって事実じゃん!花宮のチームなのに華がない」
「今年からはマネージャーに帝光中出身の桃井さつきが入るはずだ。テツヤに夢中だったから意外だが花宮さんに誘われて霧崎へ行ったらしい」
「あのピンク髪で巨乳の娘かあ。人数少ないのにマネージャーが二人とか贅沢だな」
「マネージャーの男の先輩はスタメンの先輩の兄弟なんだそうだ。同い年の兄弟とは珍しいが、6月と3月らしいから3月生まれの方が何かの事態で早く生まれてればありえない話ではない。彼はキャプテンにほぼベッタリ張り付いて変な虫がつかないように守っているらしいよ」
「桃井さんから聞いたの?よく知ってるわね」
「ふふふ」
 赤司は笑ってかわした。
 情報源を明らかにする気はないらしい。
「……とにかく、霧崎第一には要注意だ。いいね」
 雑な結論で会話に終止符を打った赤司に実渕はため息をついた。
 黒子に絶賛片思い中の主将は、女子が人間に見えるというある意味当たり前のことすら初めてなほど女慣れしていない。
(征ちゃんは未来が見える眼を持っているらしいから、本当にいいとこまで勝ち上がって来ちゃうのかしら。そうなったら前代未聞の珍事ね)





「流川、てめえまた授業中寝てたらしいな?」
「あああ、スイマセン!ボクがいながら起こせなくってスイマセン!生きててスイマセン!」
「桜井は謝んなくていいから。てゆーか、お前も二周目なんだろ?なんで成績そんな悪いの」
「ヒント・授業中疲れて寝てるから」
「黛さん、それヒントじゃなくて答えだから。冗談抜きで成績悪すぎてインハイみたいに試合に出られないのは困る。お前が男子なら男子の強豪チームにスポーツ推薦で取ってもらう道もあるだろうけど、今は女なんだからな?ルール改正って奥の手まで使って男子と同じ大会に出場出来るようにお膳立てしたってのにてめえがインハイ出れなかったせいでこっちは手を抜いてわざと負けたんだからな。WCは二学期のテスト赤点なしで一人も欠けずに挑まなきゃダメだ。つーかアメリカ行きたいくせにコミュニケーション英語の点すら悪いってゴミかよ。黄瀬ですら英会話が得意って言ってるらしいのに」
「スイマセン、それなんかの間違いだと思います!若松さんから聞いたんですけど、黄瀬さん、ジャバウォックにアイアム ア パーフェクトコピーマンとかカタカナ英語で言ってたらしいので英語は全然だと思います!」
「黙ってるコイツよりマシじゃね?黙り込まれちゃ分かんねーだろ」
「そうか?《眠い。キャプテンうるせー、寝れねー。オレの眠りを妨げる奴は親でも殺す》、そう思ってそうな顔だぞ。赤司よりよっぽど分かりやすいじゃねえか」
「スイマセン、授業中、流川さんが先生に言った言葉ここで言わせて下さい。何人たりともオレの眠りを妨げる奴は許さんって言ってました。ほとんど合ってるじゃないですか怖いですスイマセン!」
「あー、ちょっと違ったか。惜しいな。でもだいたい分かりやすいことに変わりはねえよ」
「は?目を見りゃ赤司相手でもサトれるアンタは例外だ。赤司に比べりゃたいていの奴が分かりやすいに決まってるしこいつ無表情だし分かりやすい訳がねえよ」
「黛はテレパスみたいで不気味アル。花宮の先輩といい黛といい、日本は妖怪の国アルか」
「違うからな?!……おう、康次郎」
「ただいま。コーチになるための講習を受講してきた。とりあえずこれでオレは今年、コーチ枠でベンチ入り出来るな」
 マネージャーのベンチ入り人数は一人と決まっているので桃井が加入すると古橋はマネージャーとしてベンチ入りすることが出来なくなる。
 料理上手な桜井がいるとはいえ、桃井の毒料理対策にはどうしても選手以外で普通に料理出来る奴がいてほしい。
 その点、パン作りが趣味の康次郎は男子高校生にしては料理が出来る方なので都合が良かった。
「お疲れ。桃井を選手登録して実質マネージャーの仕事やってもらっても良かっただろうけどな」
 松本が違う方策を今更提案したが選手として起用するつもりもないのに背番号を与えてユニフォーム買わせるのもどうなんだ。
 胸が大きいからみんなの視線をいただきだろうな。
「そんなの無理です!桃井さんはボクが守りますから余計なことしないで下さい」
 桜井は桃井のことが好きらしい。
 自分も女になって同性だってのに桃井を守ってあげたいんだと。
 霧崎第一からも近いお祭り会場では中学で縫ったという浴衣を着た桜井(身長高いが男だった時から女子力も高い気弱そうな美少女)が巨乳美少女の桃井と歩いていてナンパに会い、涙目でスイマセンを連発しつつ必死に拒絶する姿が見られた。

 霧崎第一バスケットボール愛好会
 4 花宮真(主将兼監督)PG
 5 瀬戸健太郎(副主将)C
 6
 7 古橋康次郎 SF
 8 山崎弘 SG
 9 桜井良 SG
 10 原一哉 PF
 11 流川楓 SF

 アシスタントコーチ 虹村修造
 マネージャー 桃井さつき


 

 女の子っぽい名前の人を女体化させてチーム作れるかなと考えてみたら花宮くん、黛さん、桜井くんは名前も顔も余裕でアリだなと思ったけどCとSFがちょっと微妙だったので流川くんを引っ張って来ました。名前も顔も流川くんなら女体化しても全然いけますね。
 名前だけなら魚住さんもアリなんだけどあの顔の女体化は想像つかないので松本くんにしました。
 松本くん名前はともかく顔はかなりいかつい系なので視界の暴力だけどまあしょうがないですね。
 ファンブック読み返したら松本くんは花宮くんと同じ身長だけど体重は花宮くんより軽くてびっくり。見た目いかついのに不思議です。
 劉くんは身長高い人の中では顔立ちが割と女性的で一人称がワタシだから入れるかという感じで選出した人です。
 陽泉は岡村さんがいて紫原くんもいるから劉くん影薄いけど本来あの身長ならCに回されそう。
 スラムダンクで一番好きなキャラは三井さんです。
 でもそもそも名前が女の子っぽくないのと、花宮→花、黛→青々とした山や樹木、桜井→桜、松本樹→松、樹、流川楓→楓ときたらどうしても植物関係で揃えたいなってことで三井さんや魚住さんは諦めました。C出来そうな人がいないので劉くん入れちゃいましたけどね。
 桃井ちゃんを入れたのは、桃とさつきどっちも植物関係だからです。
 同好会or部活を新規発足する時に部長会の承認が必要なのは私の出身校でした。他の部長さんから事前に根回しがあって部長会の意見は根回しの時点でほぼ確定という政治の世界のミニチュアみたいなことをやってました。
 最後力尽きて台詞だけになってしまってスイマセン。
 
 設定としては、花宮くんの女体化の原因は、ラフプレーの天罰で、前人未到の奇跡を成し遂げないと男に戻れないと言われて女子チームが男子チームに勝って優勝しなければならなくなったとか思いついたんですが、こんな感じの原因はありがちらしくて他の人の作品とかぶっていたので名言を避け、純粋にバスケさせてたら恋愛要素がログアウトしました。
 初めて女体化書いたけど、難しいですね。
 すぐ誰だ、お前状態になるので手が止まっちゃって全然進まなかったです。

 入れようと思ったけど入らなかった中の人ネタ

花宮「オレと同じ名前の奴が背泳ぎしてる水泳アニメたまたま見たらそいつの声が秀徳の高尾そっくりでびっくりした」
松本「ああ、女みたいな名前のキャラクターが多いあのアニメか」
劉「自由形を泳いでる主人公が桜井と同じ声のアニメアルな」
桜井「ボクなんかが主人公と同じ声でスイマセン!羽虫のくせにスイマセン」
古橋「三期が始まった野球アニメの主人公と同じ声の奴もそこにいるな。オレは主人公したことないんだが(ギリイ)」
花宮「黛、お前会場に聞こえるくらいデカい声でおしおしおーしとか言えば存在感出るんじゃねえの」
黛「無茶言うな」

 気に入っていただける方がいるといいんですが。
 ここまでお読み下さりありがとうございました。

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