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ど ら ご ん






そうしてゴウゴウと空を飛ぶこと一時間、いや30分程だろうか?



極寒の空の旅に凍えきり震える体に堪えながら、ドラゴンにしがみついていた



どうやら生きてる


目的地に着いたらしく、重力がまた一瞬抜けるような感覚に慣れないまま



指先ひとつ動かす気力がわかず、ぺったりとドラゴンに乗っけられ



ズンズンと歩き出しだ振動を感じながら目をつぶる、



視界の端には、青々とした色をした神秘的な湖と、濃厚な緑の森が見えた。









足元から水が忍び寄る、

いや、それは温水だった。


服ごと、うつ伏せに少しずつ浸っていく。

温かくて心地よいのだが、


うつ伏せに、寝てたのが災いし ガボッと鼻から水を吸い込んで


「んぼっ…ッゴホ!!ブボッ」


寝起きに思いっきり、溺れかけるという



鼻から水が入ってツンと痛い


何事かと、痛い鼻を押さえて辺りを見渡せば



どうやら、先程の湖ではなく、別の場所らしく


岩山の谷間


そこに溜まる白濁した湯に、ドラゴンごと浸かっているようであった。


遠目だが、猿山の猿のようにわらわらドラゴンが温泉に浸かっているのがみえて


正直、生きている心地はしない。



チビりそうになりながら、さらにドラゴンにしがみつけば


チラリとこちらを見たやつと目があって


その真っ黒な長い睫毛の奥

黒曜石のような瞳が 面白がっているかのように細まる



初めて、まともにドラゴンを見た気がした。



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