ど ら ご ん
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そうして眠れぬままに、朝を迎えて、
とうとう、でっかいそれはゴゴゴと地べたをゆらして鎌首をもたげ
眠たそうに朝日に向かって欠伸した。
一番恐れていたお目覚めである。
すぐさま、私が起きている事に気づいた、でっかい翼のはえたドラゴンは
昨日のように鼻を寄せて
鼻息で飛ばされそうになりながら、思わず ぎゅっと目をつぶる
スンスンと臭いを確かめ、敷布団よりでっかいその舌でベロリと
私をなめたのだった。
味見が味見なのか、いや味見ッ?!
不安に高鳴る鼓動、そのときドラゴンの口先が薄く開かれ
体をあまがみ、そのままくわえて運ばれ
羽の付け根の辺りに乗っけられたのだった。
食われたかと思った。
ドラゴンの口はナイフのような鋭利な歯が、三列は並んでいて
あまがみされたせいで、穴の空いた服と、唾液で湿気た服に凍えながら
温かいドラゴンにへばりつくと
同時に羽を羽ばたかせ、まるでヘリコプターの風圧並みのそれが二度三度と吹き寄せて
一瞬 重力を失ったかと思うとすぐ、ズンとドラゴンの背中にすさまじい重圧でもって押さえつけられたのであった。
それが何事かと理解するまでに、しばらくかかったが
360°、山の嶺を横目に青空ばかりの風景と
不安定な空を切って進む感覚に
ようやく、ドラゴンごと空を飛んでいる事に気づいたのであった。
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