アクマ @ @@@ ゴトゴトと音がする。 眠たい目を擦って、いつのまにか一人で寝てた寝台から起き出して ―――よそ行きの服のまま寝てた自分に、主ことフィルベルトは撃沈した。 シワが、寄っている… だが、それよりも重要な事を思い出して 見当たらない悪魔を探して、フィルベルトはのたのたと着替え、 廊下へと一歩踏み出した、のだが。 廊下には、はたきが はたきが、独りでにホコリをはたいて… 室内は窓という窓が全開で、しなやかな木の棒が絨毯を打ち付けチリを叩きだし 廃材らしきベニヤ板?がハタハタとホコリを外に扇ぎ出していた。 何事か、 階下ではホウキまでもが床を掃いて居るのが見えて、 何も言わず、一旦、扉を閉めて首をかしげた。 何事か。 いや、元凶というか犯人は、昨日やってきた小さな悪魔しか思い当たらないのだが 恐る恐る、廊下に出れば 独りでに働き回る掃除道具と家の汚さに なんとも言えない気分になりながら、とりあえずセシルの様子を見に行って 部屋まで目と鼻の先に来ると室内からは、きゃっきゃっ弾むセシルと柔らかく食事を促す悪魔の声がして 足が早まった ノックも手短に返事も待たず扉を開け放ち、ホコリを中に入れぬよう手早く中に滑り込むと 「あら、にいさま」 ずいぶんと平和な、和気あいあいとした和やかな雰囲気で 「うん、おはようセシル」 と、ほほえんで何か色々飲み込んで取り繕う事にした。 [*前][次#] [戻る] |