アクマ ごはんですよ *** 幼いセシール嬢、麗しの妹君との短い面会をすませ、内心ぐったりしながら部屋を後にする 灰色とオレンジ 黄昏時に差し掛かったホコリっぽいにおいの 薄暗い廊下を主の後について歩き 床がかん高くキイキイきしむ音を聞きながら この人は、アクマについて知らなさすぎる、と実感していた。 とりあえず仮契約として、形だけ首輪 つーか、リボンは頂いたが 本来は、逃げられないよう鋼鉄や金属に革の物をガッチリとすべきであり いや、逃げるには好都合だが、漬け込む隙が多すぎて 逆に不安になってくる。 逃げたとしても路頭に迷うし、捕まったら… 頭の片隅に殺処分される虎や獅子がちらほら浮かんで 色々、試されている、気分だった。 だが、わざわざ幼いセシール嬢を…虎に触れさせたりするのだろうか? 指を食いちぎられるかも知れないのに? [*前][次#] [戻る] |