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アクマ




ベットサイドの小さな、チェストから繊細で

滑らかな五センチはある幅広い青いリボンがするりと取り出され


そのまま主に手渡された、それがスルリと首に巻かれた

「ん、」

あつい指先が、首筋にかする

「……、っ」

なんとも言えない気恥ずかしさとくすぐったさ、もたつく主に眉間にシワが寄る

「兄様、」

軽やかなその声が、空気を震わせ

リボンが妹君にバトンされ、速やかに蝶々結びされるまで、鳥肌が立ちっぱなしだった。




結び終わると、思わず詰めていた息を密かに吐く

「…はー」





「まあ、きれいね。きっと赤やピンクも似合いますわ、明日は、どんなリボンにしようかしら」

やっと終わったトコなのに、これがどうやら毎日の行事になるやも知れぬ発言に

すがるような気持ちで妹君を見つめるが

「…」

「眠るときには、きちんと外さないと汗疹(あせも)になってしまいますわ」

顔に、出ていたのだろうか、



「……ハイ、」

花もほころぶような笑顔でやんわりと、しかし断りきれないごり押しに悪魔はうなずく事しか出来なかった


強ぇ




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