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アクマ
リ ボ ン







室内には、妙な緊迫感が走っていた。


咳き込んでいた妹君は、その顔をまるで陶器人形のようにピクリとも変えず

ふと主に視線をやって


鳩が豆鉄砲食らったみたく、微動だにしなかった主がその視線に気づき


あらぬ誤解を受けそうな予感に怯えながら、どーにかこうにか

「…えーと、そんな趣味はないです、」

と、絞り出したのだった。




しかし

「は、?」

一刀両断するかのような冷たい、どこかイラついてらっしゃる切り返し


「…あの、ね、その…女の子に首輪とか…」

なにか、勘違いでもしているのかと恐る恐る説明すれば

「役、…規則で 決まっているんです、」

「規則、」

すこし、空気を和らげて口にした悪魔に

「…」

妹君も理解したようであった。
しかし、新たな出費の予感にフィルベルトはちょっと頭を痛めながら

それでも犬の首輪のような物だけは避けようと、年頃の女の子がしそうな物を提案するが

「あー…首輪か、首輪…チョーカー、ネックr、」


悪魔が一瞬、顔をしかめた
ネックレス、それは貴金属の寄せ集めだ





「いや、他になにか、」

慌てて、話題を変えようと、他になにか無いかと考えるより先に

麗しの妹君から

「兄様、サイドチェストにリボンがありますわ」

と、救いの手が差し出されたのだった。


それに、悪魔は少し押し黙ってから


「…ほどけてしまいます」

小さく意見するも、

「結び直せば良いじゃありませんか」

まるで結び直すのも楽しみだと言わんばかりに微笑まれて

ぐぅの音も出なくなった


強ぇ



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