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アクマ






そして早朝、夜も明けきらぬミルク色の空

思いの外早く目覚めた自分に苦笑しながら、手早く支度する。

昨晩に指示しておいた乗馬服に着替え、簡単な食事を取ると 仕事の時間前には戻ると言い含め、馬を駆った。


朝の空気、ひんやりと吸い付くそれを切って走る。市街地を抜け、煉瓦道から踏みならされた並木道を蹴る蹄の音が心地いい。
明けていく空、日の光に肌を暖められながら、軽く汗ばみ始めた頃ようやく、幽霊屋敷ならぬ友人宅にたどり着いたのであった。




どうせ来客も無さそうだと庭を通りすぎ玄関口まで馬を乗り入れて 繋ぐと、届け物らしきカゴをひっつかんで扉をノックする。


しばらく待ってみたが恐らく寝ているのだろうか、まるで無人のように静かな気配に 遠慮なく中に踏み込むことした。



 室内に差し込む朝日、甲高いきしんだ悲鳴を上げる扉を開けたとたん、既視感を感じた。まるで昨日のように悪魔が玄関に突っ立っていた。





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あきゅろす。
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