アクマ
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深夜、まるで亡霊の館のような友の家から待たせていた馬車に乗り込み帰路急ぐ。
ガタガタと音を立て舗装されてない畦道を黒々とした影のような林の合間を縫って駆けていく馬車に揺られ、ぼんやりと景色を見ていた。
石や砂利などか飛んでくるため、あまり身を乗り出したりは出来ないが、ひんやりと吸い付く夜風は心地いい
金に輝く月と星空、濃紺の夜空を眺め、
その月の色から、出迎えたアクマの目が潤みハチミツのようにトロリとした光を宿したあと、直ぐに黒いガラス細工のような色に戻った光景を思い出していた。
あれには驚いたが、後々知るよりは良かったと思うし、ほんとうに綺麗だったと感じている自分が居て、ポリポリと頭を掻いた。
職業病か、王室を飛び出し宝飾を扱うせいか 綺麗な見目麗しいものにはめっぽう弱い。
とりあえず、明日朝に一度だけ様子を見に行くかと心に決めて、寝る前に馬の様子だけ見に行こうと考える。
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