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アクマ






バタバタと人が出入りする室内は、ホコリが舞う。


先ほど吹っ飛ばした悪魔やら魔術師に取り囲まれながら、あんまり室内でドタバタしないで欲しいと思ったのだが


狭いからだろう、食器棚に当て擦ったり、モップを蹴飛ばしカーテン踏んづけたり。



眉間にシワが寄る。


「カーテン、洗ったばっかなのに…」

悲壮感が声に滲むのが自分でもよくわかった。吐いたため息が思わず大きくなる。だって靴跡ついてんだぜ?


席に着いていた主がゆっくりと立ち上がり、戸惑ったような目で私を見た。


足音も立てず目の前まで寄ってきたのだが、何か言いたげな視線だけしか投げ掛けてこず、それに答えるように小首を傾げながら、なるべく優しい声で


「どうされましたか?」


と尋ねてやる。だって、叱られた子供のような顔で不安げに佇む主をほっとけば

いつまでもそこに立ち尽くしてそうな気がしたからである。

はやく。してくれ。




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あきゅろす。
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