アクマ
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客間は片付いておらず、とりあえず台所へ通しお茶と朝食をすすめながら、退席をわび、主呼びに速やかに廊下をあるきだす
まだうつらうつらと支度していた主を叩き起こし、仕度をせかし、来客を伝えながらその方と朝食を一緒にとる事になる伺いを立て、連れだって台所へ引っ張り出したのであった。
朝の白い光の中、少し気を引き締めた顔をしたのを確認し、台所をノックして声をかける
「失礼します」
客人の顔を見るなり、主の空気が緩んだ気がした。
「ヨッ」
「…おま、来るならハトくらい飛ばせよ」
打ち解けた空気、いままでのどこか大人びたしゃべり方ではなく、年相応の砕けた声のかけ方にチラと主に視線を投げて
「主…妹君の朝食を用意して参ります、席を外しても良ろしいでしょうか」
視線がかち合うより先に、平静を装って頭を垂れた。
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