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アクマ





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 ゴトゴトと音がする。

眠たい目を擦って、いつのまにか一人で寝てた寝台から起き出して


―――よそ行きの服のまま寝てた自分に、主ことフィルベルトは撃沈した。



シワが、寄っている…


だが、それよりも重要な事を思い出して


見当たらない悪魔を探して、フィルベルトはのたのたと着替え、

廊下へと一歩踏み出した、のだが。





廊下には、はたきが


はたきが、独りでにホコリをはたいて…


室内は窓という窓が全開で、しなやかな木の棒が絨毯を打ち付けチリを叩きだし

廃材らしきベニヤ板?がハタハタとホコリを外に扇ぎ出していた。






何事か、


階下ではホウキまでもが床を掃いて居るのが見えて、


何も言わず、一旦、扉を閉めて首をかしげた。




何事か。


いや、元凶というか犯人は、昨日やってきた小さな悪魔しか思い当たらないのだが


恐る恐る、廊下に出れば


独りでに働き回る掃除道具と家の汚さに


なんとも言えない気分になりながら、とりあえずセシルの様子を見に行って




 部屋まで目と鼻の先に来ると室内からは、きゃっきゃっ弾むセシルと柔らかく食事を促す悪魔の声がして


足が早まった


ノックも手短に返事も待たず扉を開け放ち、ホコリを中に入れぬよう手早く中に滑り込むと


「あら、にいさま」

ずいぶんと平和な、和気あいあいとした和やかな雰囲気で


「うん、おはようセシル」

と、ほほえんで何か色々飲み込んで取り繕う事にした。




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