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アクマ




始めの内は、訳がわからず泣きわめいて引きちぎったりもしていたが、その内慣れるしかない事に気づく。


それにそれをすると、ヒュンヒュン音をたてる細い警棒のようなもので血が滲むまで打たれ、2、3日から1週間も餌をもらえなくなるからしない。


『ちゃんとすれば』アチラは何も手を出しては来ないのだ。ムカつくけれど、それが無難だった。




鼻息荒く、もはや手枷や足枷の貴金属から目をそらす。

空腹を思い出して、地べたに体育座りをして膝をかかえお腹を押さえた。


ちょっと目を閉じると、外からピチピチ鳥が飛び立つ音がして、目を開けば窓からの光が陰っている事に気づいた。


お客さまである!


勢いよくふり仰げば、窓からは膝を曲げヤンキー座りの下半身だけが見えた。

すこし待たせてしまっていたようで、急いで寝床にしている木箱の上に立ち、精一杯手をのばす


つま先立ちが、つッらい。ほんとにぷるぷるする



すると、伸ばした指先に人の手が触った。とんとん とととん、と指先をタップする。


嬉しくなって、私も相手の指先にふれてタップする。
すこし乾燥して、ごつい手で、きっと男のひとなのであろう。

それしか 知らない。
けれど、優しい人なのは知っていた。


何回か助けてもらったことがある。食べ物を、…恵んでもらったのだ。



ただ、それは…普通の、私の世界では口にはしないものなのだが



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