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アクマ



石畳、

木の車輪


安い一頭だての馬車とくれば、


座っていることは苦痛だった。

白地に金の壁紙は四隅がはがれかけ、備え付けの椅子のクッションはペッラペラで意味がない。おまけに、石畳の溝が、カタタタン カタタタンとテンポよく

はねる


正直、あの狭苦しい箱(牢)の中にいるほうがはるかにマシなような気がした。


ケツの骨いてぇ。


そうして、うんざりしながら御者である新しい我が主人殿の事をぼんやり考えた。


馬車をみるかぎり、よっぽどのケチか、貧乏か


どちらか わかりゃしないが、しばらく見てりゃわかるだろ、と 何気なく指先に触れた窓を押し開ける


ガコッ

外れた。

窓はどうやらしばらく開けていなかったらしく、作りは良いようだが、ホコリが舞い上がって 日の光にキラキラかがやいた


…なんぞこれ

押しはしたが、力一杯でもなく ボロいから ソフトタッチで押し開いた方だし、つか 窓開けてから見た馬車内はお化け屋敷の一歩手前の内装だった


嫌な予感しかしない



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