アクマ
ある看守のぼやいた不平不満と証言、
そうして、小綺麗で見たことないくらい立派な応接間から、坊っちゃんを案内する。
貴族の坊っちゃんというよりかは若様と言ったような兄ちゃんである
「…つきました、」
地下に降りてから、一言も口を開かなかったが。横目でお坊っちゃまと牢を伺いながら、「失礼ですが、本当によろしいのですか」と念を押しながら扉を開き
なるべく丁寧に
「どうぞ、中へ」
と、静かに牢の中へと誘導するが、ちょいまってコイツ死んだら俺の所為に…ならないよな?と思い当たる
「…ああ」
地下に降りてから、はじめて喋ったお坊っちゃまの声は、なんだか掠れているような気がした。
格子戸をくぐり一歩牢に入られると空気が動いて、ムワッとかび臭い。
部屋からカサカサと虫が逃げていく。あ、トカゲか?
とにかく、俺は速やかに戸を閉めたいのだが、お坊っちゃまを閉じ込めるわけにもいかず、服の上からお守りを握る
悪魔は黙ったまま、こちらをみている。
近くに居るだけで、ゾクゾクしてきた、だが逃げるわけにはいかない。
「…わたしと、契約してくれ」
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