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マオユウ
06



しかしいきなり振られても、言葉に詰まる。
考え込んでいると、ふと勇者が何かを思い付いた。

「なぁ、聞いて…良い?」

「なに?」

視線をやれば、しばしためらいを見せつつ、

「あの、魔窟とか、その…この卵のさ、」

歯切れの悪い言葉を紡いで黙り込んでしまった。


しばらく、話そうか、どうしようか迷う。

「…彼らは、ね」

話しても特に問題の無さそうな、彼らの種族の特長と、その彼が派遣されていた魔窟と人間に呼ばれている場所について少し説明してやる事にした。






人に比べれば、長い長い我らの生

だからなのか、子供を生む数がとても少ない。




彼らも子供から成体になるのは早いが、それから百余年の歳月をかけ子供が生めるようになる。

それまでに、亡くなってしまう方が多い。

「数がすくなくなってね、純血のは…もう滅びそうな、種族なんだ。」

そう言えば、ハッと勇者は鎧の下で息を詰めた。それを横目に

「君らが、魔窟とよぶあの洞窟はね、小さな村なんだ。」

毎月、毎月、修繕費やら被害報告に人間の侵入が後を絶たなくて…と、ぼやいてみれば、
勇者はいつの間にか正座して、話を聞いていた。


足 痛そうだな、と思いつつ続きを話す。


「そして人間がよく乱獲する一角獣がね、子供を育てにくる保護区でもあってね。」

もし、滅びでもしたらどうするんだろうね。と言えば彼女は心底落胆し、蚊の鳴くような声でそうか…と相づちを打った。


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あきゅろす。
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