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マオユウ
15


しばらく指先で卵を確認し、男は短く嘆息した
卵が体に馴染みすぎている。彼が身を引こうとしたその時、勇者は怖々と声をかけた


「(、殺して)」

ぎしり、と音がしそうなほど動きが止まる。
一瞬意味を捉えかねて、黒曜石のような目を覗きこむ

「(、胸…か ら、卵をえぐる前に)」


うつらうつらと、意識を飛ばしそうになりながら
「(わたしを、)」

と彼女は呟いた。



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