黒猫の気まぐれ 73 施し 「ム…これはどういうことだ?」 後一週間ほどで謹慎が解けるというある日の談話室――――――― 声をあげたのはお金を数えていたマーモンだった その声に談話室にいた幹部がマーモンをみる 「どうしたのマモちゃん?」 幹部を代表して聞いたルッスーリア 「預金額が増えているんだ。任務には出ていない筈なのに」 マーモンの発言に幹部全員が動きを止めた 「どぉいうことだぁ」 「ユウヤからの施しだ」 スクアーロの疑問に答えたのはマーモンではなく、扉の近くの壁に背を預け、ウィスキーを手にしているXANXUSだった 「ししっどういうことだよボス」 ベルの問いに、椅子にドカッと座ってから答えた 「ユウヤが任務の報酬を自分の口座ではなくカス共の口座に入れるよう頼んできた」 XANXUSの説明に納得したスクアーロたち 「なぜあいつはそんなこと言ったんだぁ?」 『金なら腐るほどあるからいらねぇ』 「「「「「!?」」」」」 任務終わりなのか若干返り血が隊服についたままのユウヤが談話室に入ってきた 気配を感じなかったスクアーロたちは驚いていた ユウヤはXANXUSの前まで行くと、スクアーロたちの反応が面白いと思いながら、手に持っていた報告書をXANXUSに渡す XANXUSが報告書に目を通すのを確認すると空いている一人がけのソファーの背もたれに上着を掛け、腰をおろす [back][next] [戻る] |