黒猫の気まぐれ 2 ユウヤが生まれてから4年 最近、兄さんと母さんの二人でよく出掛けている。 不思議に思って母さんに聞いてみたけど 「 ユウヤには関係ないのよ! 」と言って教えてくれない。 多分、兄さんの灯す炎に関係あるんだと思うけど… でも話してくれないから余計な詮索はしないことにした。 俺が母さんに聞いてから1ヶ月ほど経ったある日 「 ユウヤ !話があるからきてちょうだい!」 母さんが ユウヤのことを呼んだ 『なに?母さん』 部屋から出ると荷物を持った母さんと兄さんがいた 『ん?どこか出掛けるの?』 「えぇ。留守番よろしくね」 『うん』 母さんに返事をすると、兄さんが近づいてきた。 俺の前までくると俺の背に合わせて屈んだ 「強く生きろよ」 そう言った兄さんの顔はすごく悲しそうな寂しそうな顔だった。 その顔と言葉から、あぁ、もう会えないのか。と幼いながらも直感的にわかった。 『うん、大丈夫だよ』 『いってらっしゃい!』 [back][next] [戻る] |