黒猫の気まぐれ
22
確実に急所である心臓を正確に狙ってきた
『(流石だな…だが今殺りあいたくはない…)』
体を軽く捻るという最小限の動きだけでナイフをよけながらそう思ったユウヤ
「ししっ。王子のナイフ避けるとかお前何者?」
『…名乗る必要があるのか?プリンス・ザ・リッパー』
「へぇ。王子のこと知ってるんだ?」
『…』
「つーかお前顔見せろよ」
『…なぜ?』
「気に入ったから」
『必要ないだろ…じゃあな』
ユウヤはそう言って窓から飛び降り、森の中へと消えていった
「…逃がしちゃった。まぁいいや。どうせあいつ"黒猫"だろうし」
ユウヤが飛び降りた窓を見ながら呟いた
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