依存



「今回ばかりは借金返し終わるまで帰さないぜ?そろそろ返してもらわなきゃ困るんでな」



なーんて嘘。
帝愛がそんな程度で困る訳ねぇじゃん。


俺がカイジを、欲しいだけ。





「で、次はいくら賭けんの?」

「500万だっ…!」

「キキッ!いいのかよ、カイジ」

「うるせぇ、いいから早くしろ!」



凶悪犯かよって突っ込みたくなるような形相。
かれこれ数日間、帝愛ホテルに泊まってギャンブル三昧なカイジはそろそろ自棄になってきてる。
あーあ、その熱さが命取りなんだって。





「…くそっ!」




…で、結局また負けてるしよ。
イカサマなんかしなくたって、覚醒してないカイジなんかには100回やって100回勝てるって。



ホント馬鹿。
なんで命懸かってなきゃ必死になれない?
だからここまで負け続けてきたのか?



「次はいくら?」

「…200」

「随分落とすね」

「いいんだよ、これで!」



俺は心の中で呟く。

── 200万てさ、カイジがどんくらい働いて得られる金?



そのまま思考も金銭感覚もイカレちまえ。
あんたはそれでいいんだよ。


このまま元の生活に戻れなくなればいい。
帝愛なしじゃ生きられないようになればいい。



ギャンブルと帝愛に依存したら次は俺に依存させてやるよ。
…覚悟、してて。



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策略家な和也。
カイジはギャンブルにハマると他が疎かになりそう。



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