しんじてほしい
ロックオン=ニール
『信じてほしい…例え世界を敵に回しても僕はあなたを愛してる』
偶然付いていたテレビからそんな在り来たりな台詞が流れてきた。なんて中身の無い台詞。世界を敵に回す勇気もないくせに。
「アレルヤ」
横に座っていたロックオンが突然僕の名前を呼んだ。ミッションの報告書を作っていたはずだけど…もう終わったのだろうか。
「例え世界を敵に回しても僕はあなたを愛してる」
デジャブ。
ロックオンは不敵な笑みを浮かべて僕を見つめる。
「世界を敵に回しても…って、僕らは既に世界中の敵ですよ?」
台詞と僕らの立場の矛盾に思わず笑いが込み上げる。
そう、僕らは希代のテロリストだ。
「はは、もっともだ」
それはロックオンも同じで、くすくすと彼も笑っている。
「じゃあ言い換えよう」
にやりと笑って僕の手をとる。
これから起こる事が予想出来る。出来るからこそ薄い笑みが浮かぶ。
「…永遠にお前を愛してる」
信じてほしい
(信じてほしいなんて言わない)
(これは願いではないから)
(俺は)(僕は)
(あなたを愛してる)
thank you 睦言
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