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姉に勉強を教わる

 
名前は変態だった


俺の汗のしみこんだ体操服、かなり汗臭い体操服を着ていた。服の上からブラ線が見えないのでノーブラの状態でだ。つまり俺がいつも着ている体操服が名前の胸に触れていたということであって、それはまだ俺だってしてないわけで!ちくしょー服にまで嫉妬とか俺は一体なんなんだよ!?いや嫉妬っつーか…羨ましく思ったんだ、体操服が…ハハ
俺のこと嫌いだったら体操服の匂いなんて嗅がないだろうし少なからず名前は俺のことが好きなんだろうって思って嬉しくなりニヤッとした

名前が変態だからって俺はひいたりしない
むしろイイ…変態の名前を調教する妄想で今夜は楽しくなりそうだ。だが俺以外の男の体操服を嗅がれると思うと癪だったのでついキツい言い方をしてしまった。俺のだったらいくらでも嗅いでいい、着てもいい、むしろ食べてくれたっていい!だから…お願いだから他の男の匂いを嗅いで悦んだりしないでくれ



「おい八左ヱ門、お前勉強する気あんのか?」

「あ」



そうだ、今は来週に迫った中間考査の為の勉強会中だった。三郎と雷蔵、勘右衛門に兵助といつものメンバーで図書室にいるのを忘れていた。どうして名前のこと考え出したんだっけ?ああそうだ、数学の問題を解いてたら途中計算につまづいたからだ…



「悪い悪い、ここわかんなくてよ」

「ここか?…おいこれ公式間違ってんぞ」

「マジかよ!?え、ここの公式ってこうだろ?」

「あ〜公式自体間違って覚えてんじゃん…」

「マ、マジかよ…」



テストだりーな…俺も普通の男子高校生なので、テストがなくなればいいのにとか思ったりする。なんとかいい方向に考えられねーかな…いい方向…そうだ!!考査一週間前は部活も委員会も休みになるんだよな!?ってことは名前もう家に帰ってるだろうし…弟らしく姉に勉強を教わるのはどうだろうか。手取り足取り腰取り名前からじっくりたっぷりねっとり教わろうじゃねーか!!



「突然八左ヱ門が輝きだしたぞ…」

「まあ元気なのはいいことなんじゃない?」

「買ったばかりの消しゴム見ると豆腐食べたくなる」

「今日は帰りに豆腐屋寄ろっか」



勉強会が終わった後俺は急いで家に帰った。玄関の扉を開いた瞬間に思った。名前に教わろうとそれが当然のように考えたが、名前だって考査の為の勉強がしたいハズだ。そんな名前から貴重な時間を奪うなんてことしていいのか?いやダメだろう…



「ハチ、テストは大丈夫そう?」

「大丈夫って…」

「その、わかんないとこあったら教えるからね。いつでも言ってね」



嘘みたいだろ?こんな優しいのに変態なんだぜ?そのギャップにときめくな。俺は名前から時間を奪うなど…と考えていたハズだったのにたった一言でそれがフッと消えてしまった。俺はじゃあ早速頼むよと言って名前に勉強を教わることにした。勉強会でもつまづいた数学の教科書とノートをテーブルに広げ、筆箱からシャーペンなどを取り出している間に名前が教科書を読んで難しい顔をしていた



「じゃあこのページの練習問題をまず自力でやってみて」




指定された練習問題を必死で解く。俺は最中ずっと真顔でこんな妄想をしていた
教師の名前と毎回テスト赤点俺、ふたりきりの教室で補習中、何度同じところを説明しても正解できない俺に名前先生がおしおきと称して俺を…

な、何考えてんだバカッ!今は勉強中だろうが!



「お、終わった!」

「どれどれ…う〜ん?」

「…どう?」

「ひどい」



名前に教えてもらえばどんな問題もスラッスラだー!と思ったが、違った。名前がいるからこそ妄想が止まらず集中できない。俺はもうどうすればいいんだ…



「ハチ」

「?」

「問題に正解できなかった時の罰を考えよう」

「…!?」

「その方が必死に勉強できるっしょ」



お前…馬鹿なのか!?本人からお仕置きの提案をしてくるとは思わなかった…嬉しい…嬉しいが!その罰がどういうものかにもよるな…



「そうだな…先日言った通り私は変態だから…一問間違えるごとに何か脱いでもらおうかな…」



残念だがそれはお仕置きにならないぞ…名前が望むなら俺は何枚でも脱いでやる。名前が望むなら俺はなんだってしてやりたい。そんな考えを持っているからだ。だがそんなこと…ここで言えるハズが…



「姉ちゃん、そりゃ罰になんねーよ」

「え、なんで?」

「姉ちゃんが自分を変態って言った時は吃驚して罵っちまったけど、実は、俺も変態なんだ」



ちくしょー!

俺はここで「そりゃ罰になんねーよ…だって俺は名前の望むことならなんでもしてやりたいと思ってるからな…」って言うつもりだったんだ。なのに口からは全く違うものがポポッと出ていった。確かにね!俺は!変態かもしれないけど!それを名前に言ってどうするつもりなんだよ!意味わかんねーぜ!!自分!!



「ハチも…変態…?」

「そうだよ。だから俺を脱がせても悦ぶだけだ」

「ハチの脱ぎたての靴下をフゴフゴしても悦んじゃうの?」

「うん…だからよ…罰じゃなくて、正解した時ご褒美みたいなのが欲しいなーみてぇな…」

「ご、ご褒美…!?」

「その方が俺は必死に勉強できるんだけど…」



名前の狙いは服を脱がせることではなく、俺の脱ぎたての靴下だったらしい。さすが名前…自分で言うだけあって変態だな…靴下フゴフゴしてどうすんだよ…!?ともかく俺は罰ではなご褒美をもらう、という提案ができた。これで名前が「じゃあ一問正解するごとにお姉ちゃんがチューしてあげる!」とか言ってくれたらもうテストで全教科百点満点を約束するよ



「ご褒美ってたとえばどんな…」

「俺が決めていいのか?」

「決めるのはまだ待ってよ…たとえばどんなのがご褒美かって聞いたんだよ!」

「たとえば…?逆に名前が一枚ずつ脱ぐとか?」

「私が!?」



名前は真っ赤な顔で焦り始めた。そうか、俺が脱ぐのはいいが自分が脱ぐのは恥ずかしいと。つまりそういうことなのか。俺は名前の為なら全裸になったって構わないが、名前は羞恥心を捨て切れていないらしい。可愛いやつめ…ここで全問正解したら大サービスってことでおっぱい見せてくれよ、と言えれば世界だってなんだって救える勇者になれただろうが、そんな勇気はまだなかった。俺は勇者になれない…!!



「他には…?」

「他?じゃあ…そうだな、正解する度に姉ちゃんが裸足で俺の顔面踏む、とか」

「なんで顔面踏むのさ!?」

「言ったろ?俺、変態なんだって」



それで全てを理解した名前は更に顔を赤くした。靴下はいたまま、むしろスリッパのまま踏まれてもいいが初めては裸足がいいなぁなんて思っている。
脱ぐのと踏むの、名前はどちらを選ぶだろうか



「どっちにすんの?」

「……」

「なあ」

「八左ヱ門、勉学とは自分で学ぶことに意味がある」

「はい?」

「自分の力で問題を解いて、正解した時の達成感」

「…」

「学業が本分の学生にとって最高に気持ちいい瞬間じゃないだろうか」

「おい」

「わからないところを自分で調べて、ガムシャラに公式を覚えて…」

「おいってば」

「全てを、誰に言われるでもなく自分でやることこそが、意味のある勉学だと思わないか?」

「頭のいいこと言って誤魔化そうとするな!」

「うわああああん踏むのも脱ぐのも私にはまだレベルが高いんだよー!」

「ふざけんな!脱げ!踏め!」

「いやだーっ!」



結果、どっちも選ばずに逃げた

ざっけんなよ!俺は家を中を逃げる名前を追い掛け回したがトイレとか風呂とか鍵かけられる場所に名前が引きこもり、出てこなくなったので諦めた…ここで粘り強く諦めなきゃよかったんだろうが、ゆっくりと段階を踏んでいくのも悪くない。脱いだり踏んだりするのがまだ出来ないなら、もっと軽い…レベルの低いものからやらせてみようと思った

勉強はまあ仕方ない、名前の言う通り自分でやってみようじゃねーか。この悔しさを力に変えて…名前にいつかどっちもやらせてやると言う願望を胸に…





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