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♭シホ

 宇宙から見える蒼く澄んだ地球。今日は一年が始まる日。だからといって別に変わりはない。いつもと同じく仕事に追われ、ふとできた空き時間にこうやってそんな事を考えながら襲い来る睡魔に抵抗してコーヒーを飲む。
 本当にいつもと変わらない日。

「あれ?シホも休憩?」
「ええ。やっと一つ区切りがつきました」

 疲れた様子のシホに苦笑してそっと肩を抱き寄せた。一瞬だけ驚いたように身をひいたけれど、ニッコリと微笑めば彼女も笑って俺の胸に頭を預けた。
 見つめる景色は何も変わっていないのに、不思議だな。君と一緒に見つめるだけでまるで違う世界が広がっているみたいだ。

「そういえば、ディアッカがつかまらないのですが……何か知ってますか?」
「ディアッカ?」

 確かここに来る前に食堂へ入って行くのを見たな、と話せばシホは首を傾げた。それは俺も同じ気持ちだから一緒になって首を傾げれば、彼女はくすっと笑ったから俺もつられて笑った。

「お腹でも空いたんでしょうか?」
「そうなんじゃない?」

 また隊長に怒られるんだろうな、と言ったらシホはそうですね、と笑った。
 ほら、やっぱりいつもと変わらない日。

 この後、ディアッカお手製のお雑煮を食べて少しだけ正月を味わった。


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