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♭ミリィ

 微かに積もった雪を踏みしめて、二人の足跡は長く続いていく。月明かりが照らす道を歩く二人の間に流れる沈黙と白い吐息。繋いだ手から伝わるぬくもりはそんな時間さえ消し去るくらいにあたたかくて愛しい。

「誰もいないね」
「時間ズレたからね」

 それはあなたのせいでしょ?と笑いながらミリィは言うと俺に視線を向けてきたから、肩を竦めた。
 本当なら0時ちょうどに初詣に来よう、と約束をしていた。でもミリィが言った通り、俺が寝過ごしたためにただ今2時少し過ぎ。どうしてこんな時間になってしまったかというと……まぁ解説するまでもないと思うけど、ミリィの機嫌を直すのに時間がかかった訳です。

 階段をのぼり、神社の境内に辿り着いた。ミリィと二人並んで、二人一緒に鐘を鳴らす。手を合わせて願う事は一つしかなくて……君も同じだといいな。

「さて、朝日を見に行きましょうか」

 俺の言葉にミリィは笑うと差し出した俺の手に彼女の手を重ねた。少しだけ冷たくなったお互いの手を温めるように強く握って俺達は歩き出した。

 今年もそれから先も君と一緒にいられますように!


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