♭ステラ
海が見える展望室。
隠れる事を全くしようとせずにただじっと海を見つめる一人の少女。その後ろ姿を見つけてまたも頭が痛くなる。やろうと言い出したのはそちらなのだからせめて隠れてくれよ!と内心突っ込みながら少女の肩を叩く。
「ステラ……かくれんぼをしてたんじゃないっけ?」
「あ……忘れてた」
本当に今思い出した、といった感じで言ったステラにため息が出る。
「どうしたの?」
「いや、何でもない」
「隠れなくていいの?」
「……」
問題はそこからか!?と内心突っ込みながらまた盛大に溜め息を吐いた。そんな俺を不思議そうに見てくるステラ。
「俺が鬼なんだけど?」
「……」
一瞬目を見開いた後、ステラが動いた。その腕を掴んで息を吐く。
「今さら隠れても意味ないから」
「ステラ……見つかっちゃった?」
「改めて言わなくてもそうだと思うんだけど」
悲しそうに顔を歪めるステラを気の毒に思うが、余りにも間抜け過ぎるので呆れている気持ちの方が大きかった。
「じゃあ俺はスティングを捜しに行くからステラはここで海を見とけばいいよ」
優しく頭を撫でながらそう言えば、ステラは頭を横に振った。
「ステラも捜す」
アウルと同じ事を言い出すステラ。これではかくれんぼも何もあったものではない。
「ああ、じゃあネオを捜してくれる?多分ステラが名前呼べばすぐに出てくると思うから」
「うん!分かった」
元気よく走り出したステラの後ろ姿を見送って、これでネオは見つけたも同然だな、と一人満足しながらスティングを捜しに歩き出した。
(本当はアウルとの絡みもあったんだけど、スティングの部分が上手く書けなかったのでステラのとこだけ拍手お礼に使用した代物)
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