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第十九話
名前の気持ちは?!臨時教師田中紗枝現る!!




その後、蓮司に目立った動きはなかった。
ただ、名前との仲が若干親密になった雰囲気だけは、一同も感じ取っていた。



「…名前、蓮司が好きなのかな…」



ポツリと吾妻が何気なく呟いた言葉は、一同の胸によぎっていた事だった。



「…さぁな…」

「…何で、よりによって千道なんか…」

「…あいつが決める事だ…」

「レイ、三時間目始まるよ?」

「寝てくる。」

「…俺も、フケちゃおっかなぁ…」



一同を襲ったやるせなさは絶大だった。
一方、屋上に向かったレイ。
屋上のドアを開くと心地よい風が彼の黒髪を撫でた。
すると柵の近くに誰かが立っているのが見えた。
その人物は名前の他に学園に存在するはずのない、女性。
しかし、レイにとっては良く知る女性だった。



「…どうして…」



声は風にさらわれて、彼女には届かなかった。
しかし彼女は振り返った。
そしてレイを見つめ、微笑む。



「…久しぶりね…。」



彼女、田中紗枝。
一時期臨時教師として、この学園にいたが、今はその役目を終え他の学校にいるはず。



「何で…、あんたが…」

「…また臨時教師としてこの学園に来るなんて、私も思わなかったわ…。」

「……」



レイは、このゴタゴタの最中に現れた彼女に不信感しか抱かなかった。
神崎、千道と、立て続けに現れたブレーザーの四天王。
あと2人、いるはずだ。



「…ここに来れば、レイに会えると思ったの…。」

「……本当に、それだけか…?」

「……レイ…、私を助けて…」

「…どういう…」

「…わたしがここに来たのは…、秘密組織ブレーザーからの指令が下ったからよ…」

「!」

「…秘密組織ブレーザーが暗躍する今、教師という職についている人間はみんなブレーザーの配下よ。この学園の教師も例外じゃないわ…。従うか死ぬか…どちらかの選択肢を選ばされるのだから…。」



藤堂は田中紗枝をまだ疑っていた。
彼女を信じきる事が、藤堂には出来なかった。




次回に続け!






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