名前の気持ちは?!臨時教師田中紗枝現る!! その後、蓮司に目立った動きはなかった。 ただ、名前との仲が若干親密になった雰囲気だけは、一同も感じ取っていた。 「…名前、蓮司が好きなのかな…」 ポツリと吾妻が何気なく呟いた言葉は、一同の胸によぎっていた事だった。 「…さぁな…」 「…何で、よりによって千道なんか…」 「…あいつが決める事だ…」 「レイ、三時間目始まるよ?」 「寝てくる。」 「…俺も、フケちゃおっかなぁ…」 一同を襲ったやるせなさは絶大だった。 一方、屋上に向かったレイ。 屋上のドアを開くと心地よい風が彼の黒髪を撫でた。 すると柵の近くに誰かが立っているのが見えた。 その人物は名前の他に学園に存在するはずのない、女性。 しかし、レイにとっては良く知る女性だった。 「…どうして…」 声は風にさらわれて、彼女には届かなかった。 しかし彼女は振り返った。 そしてレイを見つめ、微笑む。 「…久しぶりね…。」 彼女、田中紗枝。 一時期臨時教師として、この学園にいたが、今はその役目を終え他の学校にいるはず。 「何で…、あんたが…」 「…また臨時教師としてこの学園に来るなんて、私も思わなかったわ…。」 「……」 レイは、このゴタゴタの最中に現れた彼女に不信感しか抱かなかった。 神崎、千道と、立て続けに現れたブレーザーの四天王。 あと2人、いるはずだ。 「…ここに来れば、レイに会えると思ったの…。」 「……本当に、それだけか…?」 「……レイ…、私を助けて…」 「…どういう…」 「…わたしがここに来たのは…、秘密組織ブレーザーからの指令が下ったからよ…」 「!」 「…秘密組織ブレーザーが暗躍する今、教師という職についている人間はみんなブレーザーの配下よ。この学園の教師も例外じゃないわ…。従うか死ぬか…どちらかの選択肢を選ばされるのだから…。」 藤堂は田中紗枝をまだ疑っていた。 彼女を信じきる事が、藤堂には出来なかった。 次回に続け! [*前へ][次へ#] |