君を守る!敵か?味方か?千道蓮司!! 観覧車から二人が降りてくるのを5人はじっと見つめていた。 名前は千道と手を繋いだまま、5人のもとへ近寄った。 そのために5人も迂闊に千道に近寄れず、ただ二人が近寄ってくるのを待った。 「名前を離せ、千道!」 開口一番にユウがそう言い放つのを、千道は予想していた様子で 「…何故ですか?僕らはデートを楽しんでいるだけですよ?」 「…お前の企みはわかってるんだ…。何故名前を狙う?!」 ケイイチロウの問いにさえ、千道は動揺する事なく笑顔で 「…好きだから、としか言いようがありませんけどね。」 あくまでしらを切る千道。 唇を噛み締める一同の前に 「間違いない!そいつはブレーザー四天王の1人だ!」 神崎が現れた! 「雅!!!」 「大丈夫なのかよ?!」 「ああ、大丈夫だ。」 「せ、千道ちゃんが、ブレーザーの四天王ってマジ?!」 「ああ、あいつの狙いは名字の血液だ!」 神崎が現れた事は予想外だった千道。 しかし学ランレンジャーの仲間になる事は安易に予想出来た。 すべてを知った一同は再度千道を見つめた。 視線の主はただ、微笑みを浮かべているだけ。 「その通りです。僕はブレーザー四天王の1人です。」 「だったらなおさら、名前から離れやがれ!」 「ですが、今の僕は千道蓮司です。ブレーザーは関係ありません。愛しい彼女と健全なデートをしているだけです。」 千道は名前の手を握りなおして、名前を見つめた。 「今日の所は、さすがに引き上げます。名字さん。」 「なぁに?」 千道は名前の耳に唇を寄せて 「あなたを守ります。ですが、彼らの仲間になるのは御免です。だから」 「?」 「…早く、僕の恋人に、なって下さいね…。」 「…っ」 「それでは失礼します。また明日、学校で。」 「蓮司っ、逃げんのかよっ!」 「人聞きの悪い事を言わないで下さい。こんな公衆の面前で戦うなんて正気ですか?」 「…確かにな…」 「僕は逃げも隠れもしませんので。では。」 そう言い残し、千道は去って行った…。 「名前、大丈夫だったか?!」 「な、なにもされなかったか?!」 「…うん。みんな、あのね?」 「どうした?」 「千道くんは、私を殺せないって。守ってくれるって言ったの。」 「ハァ?!」 「そんなまさか…、あいつは異常なまでに名字に執着していたのに…」 「…だから、戦っちゃダメ!」 「えー?!マジかよ名前!」 「…あいつが名前に何の危害も与えないなら、な。」 「レイちゃんの言うとおり、だね。何かされたら、とっちめてあげるからね!」 「大丈夫だよ!なにも…」 「しないとは言い切れないだろう。あいつは…」 「ブレーザー四天王の1人だからな…」 「……」 「ともかく帰って梅に報告しよーぜっ」 こうして波乱のデートは幕を閉じた。 名前は千道と寮生達の間の埋まらない溝に悩むばかりだった。 次回に続け!! [*前へ][次へ#] |