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※ペテン師でも敵わないもの(28)
真っ白なシーツに真っ白な天井。
棚には絆創膏や包帯がきっちりと並べられている。
半ば無理矢理ここに連れて来られてもうどのくらいたつだろうか。

「このくらいで保健室なんて…柳生は心配性すぎるんじゃ。」

「何を言ってるんですか!倒れたんですよ、あなたは!大人しくしていたまえ!!」

「へいへい。」

やっぱり無理矢理ベットに寝かされた仁王は上半身を起こして言ったが柳生に注意されまた白いシーツに身をうずめる。
柳生はといえば不在だった保健の先生に代わり、仁王の看病のため棚をあさっていた。

「のう柳生、なにしてくれるんじゃ?」

「倒れた原因が分からないのでどうしようも無いですが…とりあえずその手の傷の治療ですね。」

柳生に言われて初めて自分の手の傷に気が付く。
倒れて手をついた時に切れたのだろう。

「このくらい舐めておけば……そうじゃ柳生。どうせなら舐めて治して欲しいぜよ。」

「な…!?そんなんで治る訳が無いじゃないですか!」

「柳生から俺に限り有効な治療方ナリ。」

「馬鹿な事を言うのはやめたまえっ!」

ベットから下りた仁王は棚の前でこちらを指差し言った柳生の元へ近付く。
次の瞬間には仁王がすぐ目の前まで迫っていた。
保健室は狭い。

「それ以外の治療は受けません、さぁ、早くして下さい?」

柳生の眼鏡をさっと奪った仁王はそれを自らかけ、完璧な柳生のモノマネをしながらケガをした左手を差し出した。

「に、…仁王君っ!私のモノマネはやめ…」

「やめて欲しいのなら、舐めたまえ。」

「……っ!」

す、と仁王の人差し指が柳生の唇に触れる。
それでも柳生は固く結び、口を開こうとはしない。

「ん、ぐっ…!?」

「悪い子にはお仕置きですよ?」

「あ、ぅっ…んんむ、」

無理矢理唇を割り、仁王の指が柳生の口腔を犯す。
上あごをくすぐられなんとも言い難い感覚が込み上げる。

「もっとしっかり、舌を使って。」

「やめれくらさ…っ、んくっ」

無遠慮に口腔を動き回る指を抜こうと仁王の手首に手をかけるがどうも上手く行かない。
そんな事をしている間も仁王は指で柳生の舌を刺激する。

「ぅ…むぐっ」

苦しさから柳生の目にうっすらと涙の膜が張る。

「くるし…!」

それならしっかりやれと言わんばかりに仁王は更に激しく指で口腔を探る。
どうしようもなくなった柳生は仁王の指に舌を絡ませる。

「ん、んんっ、ふ…っぅ」

「やれば出来るじゃないですか」

「っ、ん、なに…」

口から指が引き抜かれ、腕を引っ張られた。
そのままベットへと乱暴に投げられ、仁王が柳生を組み敷く。

「待、仁王君っ!ここは保健室ですよ!?誰か来たら…」

「大丈夫ですよ。ドアにはしっかり鍵がかけられてますから。」

にっこりと胡散臭い笑顔で言った仁王をきっ、と睨み付ける。
こんな所で事に及ぶ訳には行かない。

「大丈夫な訳がないです!あといい加減その喋り方を…っ、ふぁ、や!?」

するりと入り込んだ仁王の左手が柳生の脇腹を愛撫し、そのまま上まで滑り胸の突起を摘む。
こんな所で、と思いながらも反応を示す自分の身体が恨めしい。

「仁王くん…!お願いだから…やめて、下さいっ」

「残念ながら、その願いを叶える訳にはいきません」

「う、くぁ…ん、んん」

執拗に胸を弄る仁王の愛撫に漏れる声を抑えるため、ぎゅっと自分の服を噛み締める。
声を出したら、きっと見つかってしまう。

「ん、ん!?仁王くんっ!」

一気にズボンと下着を下げられ思わず口を開く。

「嫌だと口ではいいながらも…ココは正直ですね。」

くすりと笑いながらすでに先端を蜜で潤ませる柳生のそれをぎゅっと握り込んだ。
そのまま上下に扱く。

「ふぁ、ん、んぁ…にお、くっ…!こえが…」

「自分に攻められて感じてるんですか?」

「違っ…や、ぅあっ!」

くびれの辺りを握り、先端を軽く撫でられる。
弱点を知りつくした仁王の愛撫は柳生を簡単に追い詰めた。

「も、無理ですっ…、におうく、ん…離して…っ!」

「離したら辛いのは貴方ですよ?出してしまいなさい。」

ふるふると首を左右に振る。
そんな事をしたら学校の備品であるベットのシーツを汚してしまうじゃないか、という思いだけが柳生の理性を繋ぎ止める。

「あ、あ、うぁ、ああっ!!―――はっ、ふ……」

それでもやはり快感の波には勝てず、あっさり達してしまった。
ぱたぱたと白濁した柳生のそれが仁王の手を伝いシーツへ落ちる。

「あーあ、保健室のシーツ汚して、どうするつもりじゃ?」

仁王がカチャリと眼鏡をはずし、柳生の顔に返しながらながら言った。

「う…」

絶頂後独特の疲労感から朦朧とする意識の中で自分の粗相を指摘され頭が回らずどうしていいか分からなくなってしまう。
そんな柳生を余所に、仁王はすぐそばの机の上からザクザクとティッシュを取り、後処理をする。

「さて、そろそろ戻らんと真田が煩いからの。行くぜよ。」

「え?もう、いいんですか?」

「なん?続き、して欲しいん?」

「ち、違いますっ!!」

ニヤリと口角を吊り上げた仁王に柳生は慌てて否定をする。

「あの、その、ただ…仁王君も辛いのでは無いかと、思いまして。」

「え?あ、ああ…大丈夫じゃ、運動してればこんくらいすぐおさまる……」

「でもっ!私だけスッキリするのは不公平と言うか…」

仁王の言葉を遮り言った柳生はしばらく考えてから自分の上にいる仁王の股間へそっと手を伸ばす。

「…っ!柳生!?」

「すみません、挿れられて声を抑える自信が無いので…。」

言いながらズボンと下着を下ろし硬くなり始めている仁王のそれを取り出した。

「や、やぎゅう…!?」

「んっ、」

さらに柳生はそれを口に含む。
それからおずおずと舌を使い愛撫を始めた。

「ちょ、やぎゅ…っ!」

「ん、む…ふ、んん、」

熱く高ぶる仁王のそれを夢中でしゃぶる。

「……っ、ヤるなら中途半端じゃのうてしっかりヤれ。」

最初は激しく動揺していた仁王だがしばらくするとそれも無くなり柳生の頭を掴みぐいぐいと自らを押し付けた。

「ぅ、む…んんんんっ、ふ、ぅっ…」

苦しそうに顔を歪める柳生にすら欲望を煽られる。

「はっ、ふ…仁王くんっ、苦しいですって!」

一旦口からそれを離し涙を潤ませた瞳で仁王を見上げながら言った。
それからまたすぐに愛撫を再開した。
仁王に言われた通り、先程よりもしっかりと、躊躇いや恥じらいを捨てて愛撫する。
口に収まりきらない根本の部分は両手を使って扱き、なるべく歯を立てないように先端を舌で刺激する。

「ふっ、んん、んむ、はっ…」

「んっ、柳生、もう出る…っ!離しんしゃい」

前髪をぐいっと掴まれ無理矢理離された。
それでもまだ自由な両手で愛撫を続ける。

「やぎゅ…っ、ぅく、ぁっ…!!」

前髪を掴まれ固定されたままだった柳生の顔面に白濁した液体がかかる。

「っ…、」

「あ、柳生…、ごめ…!」

眼鏡からぱたぱたと落ちるそれを仁王は指で掬い取った。

「も…どうするんですかっ」

「離さないお前さんのせいじゃろっ…?」

「だって…」

柳生から眼鏡を奪いティッシュで拭きながら言った仁王はふぅ、とため息を一つついた。

「とにかく柳生は戻るナリ。副部長の鉄拳だけは喰らいたくないじゃろ?後処理はこっちでしとくけん、心配せんで。」

柳生の顔についた白濁も綺麗に拭き取り眼鏡を戻しながら言う仁王は笑っている。
嘘臭い笑みでは無く、困ったような笑顔だ。

「ですが…」

「いいから、早よぅ行きんしゃい!」

「ちょっ、仁王くんっ」

ぐいぐいと背中を押され、保健室の外に無理矢理だされてしまう。

「に、仁王…」

「それじゃ、後で。」

右手を軽く上げ挨拶をした仁王はまだ困惑している柳生を余所にドアを閉めた。

「あ、危なかった…」

ドアによりかかった仁王はずるずるとその場に座り込み頭を抱える。

「いきなりあんな事されたら俺だって制限効かんようになるじゃろ…っ!不意打ちは卑怯や。」

ボソボソと呟きさらに身を丸めた。

ペテン師でも敵わないもの、それは恋人の紳士。

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あきゅろす。
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