相思相愛。(微エロ) 大音量でビービーと鳴り響く警報音に正一は痛み出した腹を押さえた。 「もう…僕の仕事を増やさないでくれよ…っ!せっかく少し眠れると思ったのに…」 そう一人呟き上着を羽織って自分の研究室から警報音の原因を作った男の部屋へ向かう。 彼の部屋のドアは固く閉じられていて開きそうにない。 「スパナ!いるんだろ?ココを開けろ!!」 ドアを叩きながら叫ぶが応答がない。 「スパナ!スパナ!スパ…うわっ」 粘り強くドアの前で名前を呼び続ければいきなりドアが左右に開きスパナが出て来る。 バランスを崩した正一はスパナの胸に倒れ込んでしまった。 「何、正一。」 抑揚の無い呑気な声が頭上で自分の名前を呼ぶ。 「何、じゃないよ…スパナ、君…一体何したんだ!?」 その声に苛立った正一は体制を立て直しスパナに向かって怒りをぶつける。 「落ち着け、正一。ウチはただ少しココのメインコンピューターのセキュリティ破れるか試しただけ…」 「落ち着いてられるか!スパナ、君のせいでみんながどれだけ混乱してるか分かって言ってるのか!?もうホントにどうしてくれるんだよ…うっ、またお腹が…」 「やっぱり破れなかった。正一、ココのセキュリティはすごい。」 正一の怒鳴り声などものともせずやっぱり呑気に言ってみせるスパナ。 その様子に正一は怒りを通り越し呆れる。 「はぁ…もう君に言っても無駄そうだから僕は戻るよ…。」 そう言ってくるりと方向転換すると後ろから抱き留められた。 「何、スパナ…」 「せっかく来たんだからゆっくりしてきなよ。」 「スパナ?僕が言ったこと聞いてた?忙しいんだよ、君のせいで睡眠時間が…んんっ!?」 首だけ後ろに回して言えばそれを遮るようにスパナに唇を奪われる。 軽く重ねられただけで離れていくスパナの唇。 「正一、ゆっくりしていく?」 「…っ!だから無理だって言ってるだろっ!ちょ、スパナ!?どこ触って…うぁっ、」 服の裾からスパナの手が侵入、身体をまさぐる。 「ばかっ、こんなとこでやめろ!」 正一とスパナの立っている位置はちょうど廊下と部屋の境目。 ヘタをすれば目撃される可能性だってある。 それにも関わらずスパナは手を止めない。 「っう…ふ、ぅんん…」 零れる声を必死にこらえ、スパナから離れようと必死に身をよじるが力の抜けた身体ではどうにもならない。 「すぱ、な…も、はなし…やあっ!」 いきなり胸の突起を強く摘まれ高い声が上がる。 それは無人の廊下におもしろいほどよく響いた。 遅いとわかりつつ口元を両手で覆う。 「やめて、スパナッ…こえ、が…」 「中に入れば?」 「ぁん…わ、かった、からっ!も…やめっ」 スパナの意地の悪い行為に正一は訳も分からず首を縦にふる。 身体を後ろに引っ張られ部屋の中に引き込まれたかと思うと布団に押し倒された。 開いた時の勢いでドアが閉まり密室の完成。 まずい。 そう気が付いた時にはすでに遅かった。 「スパナ、何するつもり…」 「何って…アレに決まってる。」 服の裾が首元まで持ち上げられ再びスパナの手が身体をまさぐり出す。 最初、脇腹辺りをくすぐっていた手はだんだんと下におりていく。 「ふ、あぁっ…す、ぱな!ちょ、まっ!」 なんとかスパナの手を押さえ、行為を中断させようと試みる。 が、逆効果だった。 両手を押さえられたスパナは正一の薄い胸板を舐める。 「ひぁっ!」 思わず声をあげ身体をビクリと震わせた正一をスパナがさらに攻めようとしたちょうどその時。 正一の羽織っていた上着の呼び出し音が鳴る。 『入江様、早くお戻りになって下さい。みなさんお待ちしています。』 そしてそんな事を一気に告げる。 「ほら、スパナ!僕は仕事があるから戻らないと!みんな待ってるって…」 「今、いいとこ。邪魔するな。」 すかさずそれを言い訳にスパナを離そうとするが彼は正一の手を振りほどき、入った通信を一方的に切ってから上着を脱がせた。 そしてそれを部屋の隅の方に放り投げる。 「ちょ、スパナ!せめて白蘭サンに言われた仕事だけでも終わらせてか、ら…ぅあっ!」 完全に言い終わらないうちに素肌に直接触れられ言葉が途切れた。 「正一はそればっかりだ。『白蘭サン、白蘭サン』。嫌になる。」 スパナの手が止まり表情に乏しい彼の顔が苦しそうに歪む。 「正一は、本当にウチの事が好きなの?」 頬に水滴を感じ指で拭う。 それはスパナの涙。 「え、す…ぱな?お前、泣いて……」 「しょ……、いち」 小さく名前を呼んだスパナは自分の頬を伝った涙を手の甲で拭ったあと愛おしむように正一の頬へ自分の手を滑らせる。 そしてそのまま指先を動かし正一をくすぐった。 「んっ…くすぐった…」 くすぐったさに頬の手をどけるとスパナは正一の胸に頭をこてんと預けて名前を繰り返し呼ぶ。 「正一、正一、正一、正一…」 そんなスパナの頭を撫でながら正一はなんとかしようと試みる。 「スパナ、大丈夫だよ。僕もちゃんとスパナの事好きだから。白蘭サンはボスだし言われた事終わらせないと大変だから…」 「それでも、ヤダ。正一が構ってくれないとウチはまた正一に会うために正一を困らせる事するから…」 正一の胸に頭を預けたまま言うスパナ。 「もしかしてスパナ…僕が来るからやたら問題を起こして…?」 「ん。」 正一の質問に顔を上げたスパナは悪びれた様子もなくコクリとうなずいた。 そんなスパナに正一は大きなため息をひとつついた。 しかし本人は本当に悪いと思ってないのだから仕方が無い。 「正一はウチだけ見てればいい。」 唐突に告げられた言葉。 あまりにもいきなりで正一は反応がすこし遅れる。 「…そ、そんな無茶苦茶な」 「無茶苦茶でも、なんでもいいから正一はウチだけ見てればいい。ウチだけ好きでいればいい…」 スパナの言葉にたえられなくなった正一は叫ぶ。 「スパナ…好きだよ。大好きだ。だからさ、安心してよっ!」 「しょー、いち…」 叫んだ正一のメロン飴色の瞳からはボロボロと大粒の涙が零れ落ちる。 「君は、スパナは僕がスパナ以外も好きだと思ってるのか!?そんなに僕は信用が無い!?僕は…うわっ」 いきなり上体を起こされ強く抱きしめられる。 ごめん、正一。と小さく呟いたスパナはさらに抱きしめる力を強くしてくる。 少しどころかすごく苦しくて、でもそれ以上に嬉しくてこのままずっとこうしていたいとか思ってしまう。 「す、ぱな…苦し…」 それでもさすがに苦しさにたえられなくなった正一はスパナの背中をポンポンと叩く。 しかしスパナは抱きしめる力を緩めただけで正一を離そうとはしなかった。 「もう少し…このままでいさせて。」 「!?…ああ、僕もこうしていたい。」 スパナの発言に驚きながらも正一は彼の背中に手をまわし返し二人だけに聞こえる声量でそう告げた。 ―――――――――― はい、なんとか2作品目完成っと。 しかし書きたいことがまったくまとまっていない文章ですな、これ。 とりあえずスパナさんの嫉妬と涙が書きたかったんですよねー…そして微えろ。 あとタイトルセンスの無さには笑ってしまいますな、わはははは… まだリボーンの未来編が完結するとこまでみてないのでやっぱりよくわからない事になってますがスルーしてください!(( '09.10.13 [*前へ][次へ#] [戻る] |