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小説
つまり。(あくてん:圭)


正直言うと
俺は少し、怜花に心配をかけることに楽しみを感じているのかもしれない。
怜花が気になるってのもあるし、
下手にちょっかいだすより効果的。

勘が鋭い怜花は直ぐ気付いてくれるから
俺が自ら言わなくてもいい。
だから自然な流れで、自然なタイミングで
心配をかけることができる

怜花は心配すると
とことん直す様に促してくる
俺もまぁちゃんと聞いてるし
直せる部分は出来る限り全力を尽くして直してきたつもりだ。
だけどやっぱりほら、人間って習慣的にやってることが身に付くだろ?
だから不意に、なんとなくまた
やっちゃうんだよな
これが怜花にバレたらもうそりゃヤバいことになる

とりあえず怒られる。
怜花の怒り方って、静かだから
ズキンとくるものがある。
この時点で改心しないと
さらに状況は悪くなる

改心したふりなんかしてバレたら、
怒る。終いには泣く時もある
自分のことみたいに
心配してくれてるから泣く。

そこまでくると
どうしたらいいか解らなくなる
とりあえず謝るけど
それでスッと泣き止むわけがない

そんな時の俺はほんとに無力で
見てることしかできない。
ほんとは触れて、なぐさめて、ごめん。って言いたいのに
触れられない。
怜花が、大切すぎて、
俺みたいな腐った人間が触ったら
一気に汚れそうだとおもったから

簡単に触れない

怜花のこと、ちゃんと好きだ。
でも触れない。これはもう、たぶん一生、
俺が真っ当な人間になるまでは絶対

触れないとおもう




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