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小説
明日(見えない雨:柳井)


僕の明日はまだ来ない
たぶん僕は
小林を追いかけた
初めての日から
僕の日付は動いていない

僕は小林が死ねば姉さんも父さんも帰ってくるかなっておもってたけど
小林が死んでも何も変わらなかった
気持ちも。生活も。
日々染み付いたパソコン仕事も、
もう必要ないのに ついやってしまうし、
内田さんは相変わらず僕をどうしたいのか解らない。
牧田さんは僕に情報を急く。
何も変わらなかった
雨も。また降ってる
小林が死ねば、もう不快な雨は止むんじゃなかったのか
僕は落胆した


朝も昼も夜も
僕の真っ暗な家に家族は帰ってこない
逆に僕から昔の家へ行ってみたけど
家はもう無かった。
高校を卒業して直ぐ、僕が売ったから
売らなければ、よかった
でも売らないと僕にはあの家が広すぎた
毎朝帰りを期待してしまう

僕は何も変わらなかった
周りも何も変わらなかった
でも、それでもいいかなって
思えるようになってきた
そんなものかなって
思えるようになってきた


もう僕はきっと死ぬけど
最後はすこし明るかった様な気がした
なんだかまた明日が来るような
気がしてる


さようなら 内田さん 牧田さん 姉さん 父さん
ご迷惑をおかけしました


ちょっとはやいけど
よいお年を。
おやすみなさい
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あきゅろす。
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