風の強い日
ピューピュー…ブボロッ…ガタガタ…バキッ
「おいこれおめーの家壊れんじゃねーの?」
『あたしもそう思うわ』
風の強い日
今日は週末のテストに向けて幼なじみの流鬼とあたしの家で勉強会。
リビングで課題とにらめっこしながらやってる最中なんだけどね、うん。
『風うるさくて集中出来ない』
「馬鹿か」
いやだって苦手な方程式に手をかけた瞬間にピューピューと風の音が聞こえたら集中力なんて一瞬で途切れますよ!
『…流鬼は真面目だね』
「佐奈と違ってな」
『答え見ながらだけどね』
「やりゃあいんだよ」
ふん、と笑って言ってみせた流鬼は着々と課題をクリアしていく。
おい、あたしだけ取り残されてんじゃないか。
『なんかもういーや、流鬼終わったら写さして!』
「は!?お前自分でやれ!こーいうのは自分でやらなきゃ駄目なんだって何ソファーに移動してんだ」
『眠くなってきた』
「仮にも人が来てるっつーのに寝るのかよ」
『ぐぅ』
「ちょ!寝るな!」
『ぎゃ!』
ちょっと休憩するつもりでソファーに移動したのに何故か流鬼がソファーに乱入してきた。
おいおいこれ狭いんだよ?
小さいんだよ?二人で横になったら密着パラダイスだよ?(何)
「佐奈だけ寝るとか気にくわねー!」
『いやだからそーいう問題じゃなくて(ちっけーよ顔!ぎゃああ鼻くっつく!)』
「?お前顔赤くね?熱でもあんの?」
『しっ…知らないから!いーから早く退けろ!(何こいつ気付かないの!?恥ずかしいとかないの!?こっち見るな!)』
流鬼が躊躇もせずあたしと目を合わせるからこっちはヤカン状態。今にも沸騰しそうです。
あ、別に好きとかじゃないからね、仮にも彼は男の子だから戸惑ってるだけだからね。
「ちょっ、これ熱測った方いーんじゃねぇの?」
『あ、そっすね、じゃあちょっと測ってくる(やっと離れられる)』
「よいしょ」
『!!!?』
体温計を取ろうと体を起こした瞬間、おでことおでこがくっついた。
すーっと流鬼の冷たいおでこにあたしの熱が吸い取られていく。
というかベタすぎる、何だこの展開。
「ん…熱はねーみてぇだけど課題やれっか?無理なら休めよ」
『大丈夫、頑張るから』
「わかった、じゃあ早速やろーぜ!早く終わらしてゲームしたい!」
そう言ってピョンピョンと跳ねながら席に戻った流鬼(あいつ目的はゲームだったのか。)
あたしもソファーから降りて席に着き、課題を進める。
流鬼って妙に優しい所と鈍感な所があるからなぁ、
ドキドキするっての。
ピューピュー…ブボロッ…ガタガタ…バキッ
「おいやっぱおめーの家壊れんじゃねーの?」
『あたしもそう思うわ』
とりあえずこの風に家を壊されないか心配しとこうか。
――――――
初のお題夢!
どうも芽衣です\^o^/
甘い感じにしようとしたんですけどね、なんかほのぼのに(流鬼可愛いよ流鬼)
まっ気に入ってるので良いです(えー)
何かありましたらBbsや拍手にどうぞ!
08.12.29.芽衣
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