とある毒舌家の話 カカシと毒舌家 六助と言う少年はS級犯罪者集団暁と共に見かけられるこれまたS級犯罪者だったりする。だけども、六助は暁に所属しているわけではなく、暁のメンバーとよく行動を共にするだけらしい。だが、暁のメンバーとの仲は良くないらしい。 「・・・というのが、木の葉に伝えられてる情報なんだけど。間違いないよね?」 「それをオレ本人に聞くんですか?」 「うん」 「あんた、アホじゃないですか?」 六助が悪態を吐くが、質問をした本人・カカシはへらりと笑うだけ。情報を奪う気があるのかないのか、と六助はわざとらしく溜息を吐いた。 「溜息吐いたら幸せ逃げるよー?」 「・・・幸せならもうとっくに逃げられてますよ」 六助の言葉にカカシは首を傾げる。それはカカシ(自分)に会ったことによって幸せが逃げたという意味なのか、と。 「オレの幸せは、全部全部あいつに持っていかれた」 「あいつ?」 「・・・オレは忙しいので失礼します」 「あ、ちょっと!」 カカシが呼び止めるも、六助はサッと姿を消す。消えてしまった気配にカカシはボリボリと頭をかいた。 「あーあ」 しかし、とカカシは思う。六助の言っていた‘あいつ’とは誰なのかと。わからないことだらけの少年に、更に謎が追加されただけ。だけどそれよりも気になるのは、 「嫌なら暁と行動しなきゃいいのに」 暁と言った瞬間に眉間に寄ったシワ。嫌なら行動を共にしなければいいだけの話。暁と同じぐらいの犯罪者なら、暁の手から逃れることもできるだろう。なのに、なぜ?・・・そこに、先程の‘あいつ’が絡んでくるとしたら?その‘あいつ’が暁のメンバーだとしたら?六助はだから仕方なく暁と行動を共にしているんじゃないか? たくさんの憶測が脳内を飛び交う。暫しカカシは考え、やがてはぁと息を吐く。 「ま、一人で考えてもしょうがないよね」 とりあえず新しく得た情報を、火影様に報告しに行こう。 結論を纏めたカカシはフッとその場から立ち去った。 [*前へ] |